ザ・ジャムのリック・バックラーが死去した。69歳だった。
この訃報は、ザ・ジャムとして活動を共にしたポール・ウェラーのXを通じて発表された。同じくザ・ジャムのブルース・フォクストンもウェラーのXを介してコメントを寄せている。なお、詳しい死因などについて現時点では明かされていない。
ウェラーはXにて、「スタンリーロードにある僕の寝室でみんなでリハーサルをしていた頃を思い出す。子どもの頃にパブやクラブで演奏し、最終的にはレコードを作るまでになった。なんて旅だったんだろう!」とバックラーとの思い出を振り返り、フォクストンも「(リックは)いいヤツで、素晴らしいドラマーだった。彼の革新的なドラムパターンは僕らの曲を形作るのに必要だった。こんなにも一緒に仕事ができたことを嬉しく思う」と追悼のメッセージを寄せている。
I'm shocked and saddened by Rick's passing. I'm thinking back to us all rehearsing in my bedroom in Stanley Road, Woking. To all the pubs and clubs we played at as kids, to eventually making a record. What a journey!
— Paul Weller (@paulwellerHQ) February 18, 2025
(1/4 - P.W) pic.twitter.com/UzWBFeWRvJ
リック・バックラーは、ザ・ジャムのドラムスとして1972年の結成から1982年の解散まで在籍した。
1977年、ザ・ジャムはポリドールと契約しシングル“In The City”でデビューを果たす。同年には1stアルバム『In The City』、2ndアルバム『This Is The Modern World』を発表。翌年には3rdアルバム『All Mod Cons』をリリースし、モッズリバイバルの象徴として高く評価された。
ザ・ジャム解散後、ウェラーはスタイル・カウンシル、フォクストンも短いソロ活動を経てカスバ・クラブを結成。バックラーもフォクストンとともにザ・ジャムの楽曲をメインに演奏するバンド、フロム・ザ・ジャムのメンバーとして活動し、ドラマーとして活躍し続けた。
パンクやニューウェーブの影響を強く受けながら、ウェラーを筆頭にR&B、ソウルなどのエッセンスを加えることで、伝統的かつ革新的な音楽性を見出したザ・ジャム。バックラーの直線的でありながら歌心のあるビートがあったからこそ、彼らの楽曲は世界中のリスナーの心に刺さったと言えるだろう。
ウェラーがXで「僕らは夢のはるか彼方まで行けたし、僕らが作り出したものは時を超えていく」とコメントしているとおり、バックラーが刻んだビートとリズムはこれからも多くのリスナー、プレイヤーに影響を与え続けていくはずだ。