「うみべのストーブ 大白小蟹短編集」で〈このマンガがすごい!2024〉オンナ編1位に輝いた大白小蟹が筑波大学の修了制作として提出した作品を基に編集した作品。オールカラーでセリフのない〈青い人〉と〈赤い人〉が登場する絵物語2冊。それぞれの視点から同じ出来事を描き、対となる構成になっている。視点が変われば善と悪も入れ替わる。戦争の始まり、作者の故郷である沖縄の歴史、戦禍に思いを重ねてしまう。遠いどこかの国の出来事ではなく、いきなり戦争に巻き込まれてしまうかもしれない危うい現代を生きる我々に対し、ちょっとした行き違いから引き返せない暴力が産まれることがあると、警鐘、教訓として激しく心に響いた。