
英語から日本語へ、バイリンガルな作詞と歌に挑んだ“let me go”
――では本題に入りますが、2025年2月19日に初の日本語詞となる新曲“let me go”をリリースされました。昨今、世界中のポップシーンで注目度が高まっているドラムンベースのビートを起用したナンバー。完成していかがでしたか?
「実は“let me go”は英語バージョンを先に作っていたんです。こちらは3rdシングルのカップリングとしてリリースします。その後、日本語バージョンも作りたいと思いまして。まず大変だったのが、英語詞を日本語詞に作り変えるという作業が初めてだったので、それはチャレンジでしたね」
――それこそメロディーへの言葉の乗せ方、譜割りも変わってきますもんね。
「そうなんですよ。このニュアンスで伝えたいけど、でも語呂が合わないとか……。最初は初めてのことなので戸惑いましたし、直前までコライト(共作)のチームで話し合って決めていきました」
――あらためて、英語詞から日本語詞へ変換する作業はクリエイティブでもあり大変だったと思うのですが、日本語の良さをどんなところに感じましたか?
「英語よりも表現の数が多いという印象があって。ひとつひとつの動作でも言葉にすると広がりがやっぱり違うじゃないですか? それに、ニュアンスによって表現の種類が豊富なんですよね。心情の変化や移り変わりの言葉も選択肢がたくさんあります。日本語バージョンが完成して聴き返すと、英語バージョンより具体的に歌詞にしていない場面であっても心情を想像できるというか。そこは日本語の良いところかなと思いました」

ドラムンベースに乗せて描く歌詞の世界や情景
――いいこと言いますね。そして、今回ビート的にはダンスミュージックの枠を超えて盛り上がっているドラムンベースを取り入れています。倍で加速していくリズムについてはいかがでしたか?
「ドラムンベース、盛り上がっているんですよね。それを自分の歌に仕上げられたのは良かったかなって思います」
――そのビートの強さに対して、リリックは日々の生活におけるモヤモヤした葛藤をエモーショナルに昇華しています。壁を乗り越えていく気持ちよさを感じました。
「気に入ってるのはもちろんコーラス(サビ)もなんですけど、バースでは〈こういうことがあった〉みたいな描写をしていて、歌詞の世界観、ストーリーの説明をしているんです。いかにこの歌詞の情景などを歌声で表せるかをすごく考えて歌いました」
――Hibikiチームは複数のクリエイターのコライトで曲作りをされています。曲作りのとっかかりはどんなところから始まったのですか?
「まず、こういう曲を作りたいよねっていうイメージを伝えます。軽く話した後にざっと作ったトラックをみんなで聴いて、そこからいろいろ変えていきました。けっこう試行錯誤して、楽曲の構成パターンをいろいろ試してみたり。トップラインのフレーズを変えてみたりなどしているうちに、〈なんかいいじゃん!〉みたいな感じで」
――うんうん。
「バースの入りの〈Flash back〜〉って流れもすごくいいなと思うし。あと、〈このまま後悔したくはない〉の歌い回しもすごく良くって。国内マーケットも意識しながら作ったんですけど、J-POPになりすぎないバランスは意識しました。そこは難しかったですね」
――(ノイズが聞こえる音)??? あれ、なんだか交通機関の放送が混線してる(取材はZoomにてオンラインで行われた)?
「あ、すみません(苦笑)。今、学生寮にいて、外は大雪で。放送が流れていますね」
――ああ、今年は、九州も雪がすごいって言いますもんね。
「はい。で、今からバスが完全に止まりますというアナウンスでした」
――今年の冬もまた異常気象ですよね。ちなみにドラムンベースを取り入れるにあたってリファレンスというか、イメージしていたものってありしましたか?
「私にとってはなかったですね。歌い方にしても誰かを真似てみるとなんだか普通な感じ、ただ歌っているだけになっちゃうんですよ。なので、感情を思いのままに乗せていく、みたいスタンスで歌いました」