デビュー当初より音数の多さが特徴のひとつであった彼だが、10年ぶりの新作はフルスコア(すべてのパートが記された楽譜)を用いて作曲。レコーディングは遠隔で行い、ドイツやウクライナで録音されたホーンやストリングスも含む大所帯の楽曲をマンションの一室で編み上げたという、何とも贅沢な宅録作品となった。ソウル/ファンクにAOR、ジャズ、フュージョンがクロスオーヴァーする作風は継承しつつ、ふくよかな音色を端正に配置したオーケストラ級の構築美は確実に一段上。そんなハイクラスのポップソングながら親しみやすさも感じるのは、本人の朴訥とした歌唱が理由かも。いや〜、最高です!