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XinUの感情を表現する重要な楽器ギター

その1stステージ〈XinU Solo Stage〉からレポートしていこう。XinUひとりがステージに登場し、オープナーは“余裕綽々”。アコギを爪弾きながら「ウ~ウ~」と口ずさんだ上で歌い出した。ゆっくりと観客を導くような入り方。部屋でひとり歌っているのをすぐそばで聴いているみたいなインティメイトな雰囲気がいい。

2曲目は“もうやだ”。ここで歌われている「この街」には、XinUが歌手になるべく出てきて初めに住んだ横浜のことも多く含まれる。「道」「店」「君」「部屋」……いろんな記憶の沁みついた「この街」の歌をBillboard Live YOKOHAMAという場所で歌うことに意味があり、だから2曲目に選んだのだろう、きっと。

3曲目は“Kiss Kiss Kiss”。音源はハウス調のアレンジが施されていたが、アコギ弾き語りとなるとメロディのよさが際立ち、少しばかり切なさも滲む。4曲目は“オモイオモワレ”。オーディエンスが自然と手拍子を打つ。最後「四六時中 君に夢中」の「君に」のところでXinUは客席を指さした。5曲目は“罠”。R&Bトラックだったこの曲もまた弾き語りによって切なさがより伝わってきた。

ここまでの5曲がアコギ弾き語り。彼女がギターを弾くようになったのはデビューしてからだが、今では自身の感情を表現する上で重要な楽器になりつつある、あるいは〈なっている〉。そう感じさせる弾き語りだった。

 

ソロステージでも〈ひとり〉から〈コレクティブ〉への変化を表現

“罠”のあと、XinUはこう話した。「〈From One to Collective〉ということで、1stステージは私が私自身と今日まで向き合ってきて、今も向き合っているということを表現していますが、ここからはXinU Music Collectiveの仲間と一緒に向き合っていきたいと思います」。ということで、ここでXinUのデビュー時からずっと制作及びライブに深く関わってきたギタリストの庄司陽太がステージへ。そう、1stステージは完全にソロステージになるのかと思っていたがそうではなく、コレクティブを成すミュージシャンが加わり、まさしく〈From One to Collective〉を表現するものだったのだ。

XinUに代わって庄司がギターを弾いたのは昨年発表のシングル曲“バタフライ”。音源はエレポップ的だったそれもまたアコギによって異なる表情を見せる。XinUは前回のライブ同様、マイクスタンドを握って動きをつけながら歌った。続いての“昼夜酩酊”では庄司がアコギを弾き、XinUはなんとエレクトリックギターを弾いた。観客は手拍子を打ち、間奏で庄司がスキルに裏打ちされた見事なギターソロを弾くと「オ~っ!」という声があがったりもした。「ギター、たくさんあるでしょ?!」と、ステージに並んだ多くのギターをアピールするXinU。続いての“触れる唇”では彼女と庄司が並んでアコギを弾き、観客みんなが手拍子を。どこかフォークデュオのような雰囲気もあって新鮮だった。

庄司がステージからはけ、XinUがステージに座って床に置かれたループマシーンを操作すると雰囲気が一変。讃美歌のようなハーモニーが流れ、Billboard Live YOKOHAMAの象徴とも言えるあの大きなシャンデリアが光を発しながらゆっくりと降りてきた。会場の特性を効果的に利用しての、聖なる夜を表わした演出。歌われたのは“ロマンス”で、XinUのボーカルもまたホーリーな雰囲気があり、祈りを感じさせた。これには本当に引き込まれた。

続いてピアニストの武藤勇樹がステージに。“ロマンス”のホーリーな雰囲気を引き継ぎながら彼が叙情的なピアノを弾き、XinUが歌い出したのは“愛おしいままで”だった。初めは歌に寄り添うようだった静かなピアノが、曲が進むうちに強い響きとなり、XinUのボーカルもグッとエモーションの度合いが増す。「どこへでも 超えていこう」。その思いが強く伝わり、胸を打たれた。

続いては武藤の軽やかなピアノに乗っての“まだまだ”。観客みんなもリラックスして手拍子を。間奏でスイングするようなピアノ。後半のリズムチェンジにもXinUは柔軟に乗り、フェイクも混ぜながら言葉の強弱をつけて自由に歌うことを楽しんでいるようだった。ふたりの息はピッタリ合っていた。