巨匠イングマール・ベルイマン監督の傑作がHDリマスター版で国内初BRD化。正気を徐々に失い、幻覚と狂気に飲み込まれ、人格が崩壊していく夫に共鳴するように妻もまた闇に支配されていく。タイトルの狼の時刻とは、午前3時のことらしく、夜と朝の境界で生と死が重なりあう瞬間に悪夢が始まる様は必見。本作は、一見しただけではなかなか理解しづらい内容。例えば主人公(ベルイマン監督の分身)によって殺害される少年が、監督の少年時代の内に秘めた悪魔をメタファーとして表現されている。作品のディテールを細かく解釈していくことで、この映画の凄さがよりわかるのではないでしょうか。