〈Ultra〉の日本上陸に瀕してようやくEDMの一般的な浸透ぶりを体感したという人も多かったそうで、それはユーロ・ハウス由来のプレEDM的なダンス・ミュージックがロック主導な日本の〈業界〉内でいかに軽視されてきたかということの裏返しでもあるのだろう。で、そういった層からもずっと〈新しいロック〉として愛されてきたのが、プロディジー(の蟹)以降の一群なのは言うまでもないが、ペンデュラムロブ・スワイアギャレス・マクグリレンによって2011年に結成されたナイフ・パーティーは、幸いにもその両面を兼ね備えたデュオだ。

KNIFE PARTY Abandon Ship Earstorm/Big Beat/Warner UK/ワーナー(2014)

 そして、デビュー以来スウェディッシュ・ハウス・マフィアとの全英ヒット“Antidote”やフォーリン・ベガーズとの“Apex”など多くのビッグ・チューンを量産してきた彼らが、初のフィジカル作にしてフル・アルバムとなる『Abandon Ship』を完成させた! バンド感もあるサイバーなドラムンベースを追求してきたペンデュラム時代とは異なり、このパーティーの主軸となるのはシンセとベースの狂騒的な煌めきで彩られたエレクトロ・ハウス。すでに話題の“EDM Trend Machine”など、無条件で刺さるサウンドが満載だ!!