年頭の〈ロキソニ〉での来日も大きな話題となったなか、英国シーンのレジェンドが約24年ぶりのニュー・アルバムをいよいよ完成! 当然ながら90年代のひねくれた姿などを期待しすぎる必要はまるでないとして、重鎮のジェイムズ・フォードがプロデュースを任せられた仕上がりは、適度な枯れや衰えも臆することなくフィーチャーし、ファミリー感を意図したグループ全体の作風をゆっくりとアップデートしている。ジャーヴィスの歌い口もいままでになくデヴィッド・ボウイを連想させる詩的な渋みと揺らぎを備えてストレートに進化し、“Space Oddity”のような瞬間も訪れるのが興味深い。