イヴァン・コンチが他界し、創設メンバーはアレックス・マリェイロスただ一人となったアジムス。そんななか届いた9年ぶりの新作は、3作連続でダニエル・モーニックを指揮官に迎え、バレアリック系とも緩やかに共鳴しつつ、しかし、それ以上に矢印を己に向けて不滅のアジムス節を掘り下げたような仕上がりに。ダニエルの父であるインコグニートのブルーイも駆けつけた“Last Summer In Rio”のメロウネス100%なセルフ・リメイクや、亡き盟友に捧げるサンバ・ジャズ、ヴォコーダーを使った涼風ファンクのほか、恍惚のブラジリアン・フュージョンがぎっしり。こんなの悪いわけがありません。