90年以降フロア~クラブでの再評価が高まり緒作品が再発されるブラジリアン・ファンク/クロスオーバー・バンド:アジムスの約9年ぶり2025年作。75年のデビュー作にして大名盤『アジムス』以降、20作品以上を世に放ち時代と共に深化続けるレジェンド。オリジナル・メンバーであるジョゼ・ロベルト・ベルトラミ、イヴァン“ママォン”コンチは他界したが、ジャンル/国籍不問に世界中のリスナーやミュージシャンを魅了してきた多彩なリズムを根幹としたコズミックなクロスオーバー・サウンドが〈現在の空気〉を吸い純度を増し結晶。常に多角的な評価をされるアジムス節全開の傑作。ええやんええやん。
イヴァン・コンチが他界し、創設メンバーはアレックス・マリェイロスただ一人となったアジムス。そんななか届いた9年ぶりの新作は、3作連続でダニエル・モーニックを指揮官に迎え、バレアリック系とも緩やかに共鳴しつつ、しかし、それ以上に矢印を己に向けて不滅のアジムス節を掘り下げたような仕上がりに。ダニエルの父であるインコグニートのブルーイも駆けつけた“Last Summer In Rio”のメロウネス100%なセルフ・リメイクや、亡き盟友に捧げるサンバ・ジャズ、ヴォコーダーを使った涼風ファンクのほか、恍惚のブラジリアン・フュージョンがぎっしり。こんなの悪いわけがありません。