DISCOGRAPHIC NE-YO
ニーヨを知るための9枚

NE-YO 『In My Own Words』 Compound/Def Jam(2006)

デバージ“Stay With Me”を巧く引用した冒頭の“Stay”から瑞々しさを演出したファースト・アルバム。シェイ・テイラーやロン・フィームスター、後の参謀カーティス“ソース”ウィルソンまでプロデューサーは多彩だが、いずれも洒脱なアレンジとツボを押さえたメロディーが光る。特にUS進出してきたスターゲイトにとっても会心のヒットとなった。

 

NE-YO 『Because Of You』 Compound/Def Jam(2007)

2枚目のジンクスを払拭したセカンド・アルバム。多忙になったスターゲイトの制作は表題曲など2曲のみとなるが、シェイ・テイラーや新進のエリック・ハドソン、サイエンス、ヘヴィーウェイツらを起用して前作の延長線上で聴かせる。“So Sick”の続きを書いた“Do You”のほか、ジェイ・Zやジェニファー・ハドソンの客演も聴きどころ。

 

NE-YO 『Year Of The Gentleman』 Compound/Def Jam(2008)

“Miss Independent”や“Mad”などスターゲイトによるヒット・シングルを中心に幅広いポップネスを模索した3作目。なかでもUKのクラブで体験したハウスに着想を得たというダンス・ポップ“Closer”は欧州での人気も高めることとなった。コンパウンドで活躍するチャック・ハーモニーやステレオタイプスといった面々もここで初参加。

 

NE-YO 『Libra Scale』 Compound/Def Jam(2010)

マイケル・ジャクソンのトリビュート的な想いも忍ばせつつ、ストーリー仕立てのコンセプト・アルバムとなった4作目。ヴォーカル面で特にマイケルを思わせるユーロダンス風の“Beautiful Monster”は全英1位を記録した。マイルドなR&B路線でも“Champagne Life”や“One In A Million”など佳曲を取り揃えた力作だ。

 

NE-YO 『R.E.D.』 Compound/Motown(2012)

シーアと共作したシンセ・ポップの“Let Me Love You (Until You Learn To Love Yourself)”やティム・マグロウとのカントリー・ポップ“She Is”も披露するなど、拡大志向のチャレンジを見せたモータウン移籍作。ウィズ・カリファと絡んだハーモニー・サミュエルズ作の“Don’t Make Em Like You”や素直なR&B佳曲“Lazy Love”もいい。

 

NE-YO 『Non-Fiction』 Compound/Motown/ユニバーサル(2015)

DJキャンパーやキー・ウェインを起用したアンビエント系の楽曲を基調に、〈R&B回帰〉を狙った6作目。全体を甘美なトーンで整えてジューシーJとのトラップ“She Knows”やスクールボーイQとの合体も用意した現行モードの王道的な作りとよりビッグなダンス路線のトラックが隣り合うものの、曲単位での完成度は当然ながらに高い。

 

NE-YO 『Good Man』 Compound/Motown/ユニバーサル(2018)

ディアンジェロ曲を下敷きにしたDJキャンパー作の表題曲を筆頭にR&B的な充実もめざしつつ、ポップな“Summertime”などで季節の気分を盛り上げる7作目。ビービー・レクサとステフロン・ドンを招いたスターゲイト制作のダンスホール“Push Back”やラテン・ナンバー“Nights Like This”もあってアレンジの多彩さが楽しい一枚だ。

 

NE-YO 『Another Kind Of Christmas』 Motown/Capitol/ユニバーサル(2019)

ダニー・ハサウェイ“This Christmas”やマーヴィン・ゲイ“I Want To Come Home For Christmas”などソウルの定番ソングを筆頭にオリジナル曲も披露した初のクリスマス・アルバム。当時のコンパウンドが擁したキャンディス・ボイドら新顔のパフォーマンスを見せるショウケース的な内容になっていた。これは絶品。

 

NE-YO 『Self Explanatory』 Compound/Motown/ユニバーサル(2022)

モータウンでの最終作となった現時点での最新オリジナル・アルバム。ジェレマイをフィーチャーしてザップ&エムトゥーメイという大ネタを用いた“U 2 Luv”をはじめ、多数のソングライターで作り上げる新たな曲作りの方法が模索されているのもポイントか。トリッピー・レッドをフィーチャーした“Push Up”など佳曲揃いの濃厚な内容だ。