
城戸“ROSIE”ヒナコはポール・マッカートニー?
――2曲目の“FEEL SO GOOD”は城戸さんが作曲。ギターのカッティングが印象的です。終わり方にガンズ・アンド・ローゼズっぽさを感じました。
鈴木「あれは僕がやりたくて。ロックンロールのお決まりじゃない、ポップな終わり方をぶち込みたかったんです」
マツシマ「俺は“スイミング・ラジオ”(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)かと思ってた」
城戸「“FEEL SO GOOD”は寝起きに適当に出てきた曲なんです。私、寝起きに曲ができるんですよ」
マツシマ「寝起きに書いたって、“Yesterday”(ビートルズ)じゃん。ヒナコさんのこと、これからジョン・レノンって呼ぼう」
釘屋「……ポール・マッカートニーだろ(笑)!」
マツシマ「間違えた(笑)!」
城戸「(笑)。で、そこにギターのカッティングを思いっきり入れたらカッコいいだろうなって」
釘屋「それをTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT風に味付けしたんだよね」
マツシマ「うん、デモを聴いた瞬間からそのアプローチにしようって。ギターとアンプのセッティングもアベフトシさんと同じにしましたから。やり方は秘密です(笑)」

90sオルタナとレッド・ツェッペリンの融合
――アルバムの後半から、さらに音楽的な幅が広がっていきますね。
釘屋「冒頭の曲順は満場一致しましたが、それ以外はそれぞれの思うところを摺り合わせつつ、いろんなテイストをうまくばらけさせて散りばめることを意識しました」
マツシマ「最終的にいい感じで前半、後半、くっきり分かれた構成になったよね」
城戸「みんなアナログレコードを聴く人たちなんで、どうしてもA面とB面みたいなイメージはあったよね。今回はCDだから関係ないけど(笑)」
――アナログもぜひ出してほしいですね。B面の始まりはどこですか?
マツシマ「“ラヴ・ジェネレーター”がB面の1曲目じゃない?」
釘屋「俺はそう思う」
鈴木「俺は“ダリア”がB面1曲目だなー」
城戸「ああ、そんな気がする」
――メンバーによって違うんですね(笑)。
マツシマ「個人的な転換ポイントとして、“ダリア”は人生初のスライドギターを弾いたんですよね。イーグルスとかにはまってめっちゃ聴いてコピーして、コソ練(コソコソ練習)して」
鈴木「〈コソ練〉って(笑)」
マツシマ「なので、そこは要チェックで」
――ちなみに私は“ラヴ・ジェネレーター”からB面派です(笑)。テイストは違えどギターリフが印象的なストレートなロックンロールアンセムという意味では、A面1曲目のシンボリックな“ドライヴ・ミー・トゥ・ザ・ムーン“なみにインパクトがあるので。そこから“生活”の90年代のUKロック的なサイケデリック味のある曲へのコントラストの効いた流れが好きですね。
釘屋「“生活”を書いたとき、ちょうど90年代の音楽が好きだったなって思い出してたんです。プライマル・スクリームやザ・ストーン・ローゼズ、スウェードとかが好きで、ああいうサイケな空間的な広がりが起点になって、イントロのリフはザ・バーズやザ・ムーヴがよくやっていた感じ。歌よりもノリ重視で、ボーカルはローゼズのイアン・ブラウンみたいにフワッと乗る感じにしたくて。で、この曲も壱歩くんのドラムがいいんですよ」
鈴木「釘屋のイメージがわからなくて、結局ガラッと変えちゃったけど」
釘屋「あの時代のマッドチェスター系のバンドって、リズムが軽やかじゃないですか。壱歩くんのスタイルはそれと対極にあるパワー系なので、そこの摺り合わせが難しかったですね。けど器用貧乏になるより壱歩くんらしさが出ていて、アルバムのほかの曲に通じる良さが出ているんじゃないかなって」
城戸「うん、やっぱ今回はドラムの存在、大きいよね」
鈴木「みんな誕生日プレゼントで褒めてくれてるんでしょ(笑)」
――(笑)。“ギミー・ショック”も90年代を思わせますね。
釘屋「パワーコードとかオクターブ奏法とか、初期レディオヘッドのグランジっぽい曲をイメージして作ってたら、プロデューサーの告井(孝通)さんが、〈これ、ツェッペリンみたいにしたらおもしろいんじゃない?〉って、コードの積み方とか流れをちょっと変えてくれて、90年代オルタナティブロックのバンドがツェッペリンの“Ramble On”に先祖返りした曲、みたいになりましたね」