
初挑戦のレゲエも、アンダーグラウンドに敬意を表した高速パンクも
――2ndでの音楽的な広がるを象徴するのが、レゲエの“FIRE”ですね。
釘屋「〈レゲエが好き〉って言ったらマニアに怒られそうですけど、僕はレゲエやクンビアをコンピ盤で聴くのが好きなんです。最初はパンクな8ビートの曲だったんですけどなんだか冴えなくて、裏打ちでやってみたらいい感じになりました。
あと当時、ツェッペリンの“D’yer Mak’er”のリフを延々と弾くことにはまってて、たまたまコード進行も部分的に一緒で、〈“D’yer Mak’er”とくっつけたらおもしろいんじゃね?〉ってなったんです。ロックバンドが遊び心でやってるレゲエ、みたいな曲ですね」
マツシマ「この曲のゆるさは好きですね。ほかの曲が濃厚で重いけど、“FIRE”がアルバムの箸休めになってる。全曲聴き終わってから、“FIRE”をもう一回聴いてみるかって気持ちになる」
鈴木「寝れる曲だよね(笑)」
城戸「私はレゲエのベースを弾くのが初めてで。ロックとはぜんぜん違うから、いろんなレゲエをめっちゃ聴いて研究しました」
――指で弾いたんですか?
城戸「指弾きはできないので、そこはピックで(笑)。プロデューサーの方がベースにティッシュやスポンジを詰めて、ミュートしてくれてるのもポイントです」
釘屋「ポール・マッカートニーだからね(笑)」
――(笑)。ベースにサイケ感や踊れる感じが出ていますよね。そんな横ノリの“ギミー・ショック“と“FIRE”の間に高速ショートチューン“LIFE FUCK”が入っていることには不意をつかれて、聴いていて飛び上がりました。ラジオでは流せない曲かもしれませんが(笑)。
釘屋「結局、検閲を逃れて伏字になってないけど大丈夫かな(笑)」
――この曲は新たなフェーズに入っていることを象徴しながらも、アンダーグラウンドへのリスペクトを感じます。
マツシマ「かなり保守的で限定的ですけど、HEAVY SICKとかで全身タトゥーのゴツいおじさんたちがやっているサイコビリーやハードコアパンクのイメージの曲です。もともと僕はそういうシーンが大好きで、敬意をこめて振り切りました。メジャーのアルバムなんですけどね」
――初台WALLのフロアが浮かぶ曲なのに、逆にポップで開けている感じを受けます。
釘屋「演奏や曲自体がわかりやすいからかも。バンドを組んでから、〈こういうことをやりたいんだ〉って伝わる曲しかやってこなかったので」
マツシマ「アルバムの選曲も、〈こういうことをやりたい〉ってイメージが伝わらない曲は捨ててきました。だから、アルバム全曲わかりやすい」

ベタなことをカッコよくやるのが暴動クラブ
――ラストの“ハニー”もほんとうにわかりやすいですよね。キャッチーなメロディが最高で、まさにアルバムのフィナーレに相応しい曲です。
城戸「これは珍しく夜中にできた曲です(笑)」
釘屋「俺は、この曲は絶対に最後だなって思いました。〈始まりと最後は絶対これ!〉って思ってゴリ押しした」
マツシマ「“FIRE”で終わったと見せかけて、“ハニー”で〈まだ終わってないよ〉って聴いてもらえるかな」
――アルバムの最後の曲が速くてメロディが最高、っていうところにぐっときました。
城戸「“ハニー”はすべてが超ベタですね(笑)」
マツシマ「みんな、どっかで聴いたことある感じだよね」
釘屋「ベタなことをカッコよくやるのが俺ら、暴動クラブなのかなって。ベタなものにどうやって色付けしていくか、それがロックンロールにおいて一番大事なんじゃないかなって」
城戸「できたときは〈ベタすぎるかな?〉って思ったんですけど、この暴動クラブに投げ込んだら大丈夫だって自信があったんです」
――聴いた人のお楽しみかもしれませんが、実は城戸さんが歌う隠しトラックも収録されていますね。
城戸「暗い曲ですよね。家で一人で作った曲で、バンドで一回合わせたんですけど……」
釘屋「で、ボツになったけど、〈隠しトラックに入れたらおもしろいんじゃね?〉ってなって」
城戸「プロデューサーの方の家で録音しました。ベースもピコピコ(シンセベース)で弾いてます。いずれバンドでやりたい曲ですね」
釘屋「次の伏線にしたいよね」
城戸「シンセベースはめちゃくちゃおもしろかったです。これでもいいかも、って思っちゃった(笑)」
釘屋「(オジー・)オズボーンの“Mr. Crowley”みたいにウニョ~ンってね(笑)」