
終わりに執着せず、続いていくものとして受け入れる〈Goodbye〉
――“You say goodbye”は“Goodbye Girl”から続く〈Goodbyeシリーズ〉の最新作かと思ったのですが、意識されてました?
小田「いや……自分でも〈またGoodbyeって言ってる〉と思うんですけど、毎回無意識。だから怖いんですけれど(笑)」
小西「〈Goodbye〉と〈神様〉は頻出。『まにまに』には、“You say goodbye”と“レンタル神様”が入ってるから、どっちも入ってる」
小田「今回のアルバムの歌詞は文香さんとお互いに〈今どんなことを面白がっているか〉〈どんな感情を大切にしているか〉などを共有したりしながら作っていったんですけれど、この曲で私が出したキーワードが〈空港〉でした。
空を飛ぶって一度地上から離れることじゃないですか。空港はどこか〈儀式〉的で、誰かと別れる場所でもあり、人生の節目を感じる場所でもある。そういう話をしながら、〈You say goodbye〉、〈別れの群れ〉というフレーズを文香さんに渡して、歌詞を書いていただきました。だから今回は初めて、誰かにもらった〈Goodbye〉」
井上「これまでよりも軽やかだよね」
小田「そこが文香さんの歌詞の素敵なところ。文香さんと話している時に、ナンシー・ウッドの詩〈今日は死ぬのにもってこいの日〉の話をしたりして、私が感傷的な曲にはしたくないと伝えたことを汲み取ってくれたのもあると思います。
別れが近くなってくると、より執着が濃くなってくると思うんですけど、最後の〈そうでもないか〉という歌詞に救われる。彼女の書く〈Goodbye〉は終わりに執着せず、〈続いていくもの〉として別れを受け入れていく感覚があるんです」

バラバラなまま本気で遊ぶ
――13曲目の“manimani”はアルバムタイトルになっています。どういう経緯でこの曲が生まれたんですか?
小田「あの曲は、制作合宿の初日に越智くんと駿がベースとドラムで遊んでいた即興のセッションから生まれました。とりあえず録音ボタンを押して、越智くんと駿が走れるところまで走るみたいな感じで作った。行く先を決めずに出る旅みたいで、それが私にとって特別な体験だったんですね」
井上「あの時の空気感、すごくよかったよね。音が出てくる瞬間の〈偶然〉が形になっていく感じがして」
小田「それまで1人で制作を進めていて、少し閉じこもっていた自分が〈こういう奇跡的な瞬間を求めてたんだ〉と気づかされました」
――〈まにまに〉という言葉の響きも印象的です。
小田「自然と口をついて出てきた言葉なんです。意味としては〈赴くままに〉とか〈心のままに〉というニュアンスもあるし、〈ゆらぎ〉みたいなものも含んでいて。人生って、そういう〈間(ま)〉の連続だなと思うし、CRCK/LCKSというバンド名にある〈Crack〉(隙間、裂け目)を繋いでいくイメージもあるなと。“manimani”の制作過程が象徴的な体験だったから、アルバム全体を通した言葉になりました。幼児語みたいで可愛らしいし。
目の前で起きたことを全部正解にしながら作っていく感じが、今の私たちっぽいなとも感じていて。脱力しているわけではなくて、むしろ全力なんだけど、本気で遊ぶぞ!という感じというか」
――“manimani”は、CRCK/LCKSの10年の歩みそのものみたいですね。
小田「CRCK/LCKSも最初は〈バラバラ〉がコンプレックスだったけど、今はそれが強みになった。銘くんの脱退騒動もあって、むしろその〈バラバラ〉を受け入れられるようになったんだと思う。足並みを揃えなくても、本気で遊んでいればちゃんとバンドでいられる。
『まにまに』のミックスが終わった時に駿がしみじみと〈今の感じで続けていったら、10年後にはどんな音を出してるんだろう〉って言っていて、〈今を積み重ねていきたい〉と思えたんですよね」
井上「自分も興味あるな、それ。多分想像できない音を出してそう。フェスとかに出たいね。もっといろんな音楽と混ざって、バラバラなまま遊んでいたい」
小西「違う景色を見てみたいね。頻繁じゃなくてもいいから、ライブも続けていきたい」
――個々人のジャンルが違ってもひとつのバンドとして成立している。
小西「ジャズとかポップスとか、線引きに意味を感じなくなった時代だから成立できた気がします。解散という選択肢もあるけど、もし一度離れてしまったら、また同世代のこのメンツを揃えることってもう無理だと思う。ジャンルごとの輪郭がはっきりしつつも越境できたいい時代。マーブルっていうのかな。俺らの出自はジャズだけど、越智はバンドだし」
小田「私ももともとの出自はジャズではなくて、たまにみんなについていけないことがあったりもするけど。でも一緒に音を出していると、気持ちがいい」
井上「クロスオーバーしてるよね」
小西「ひとつの塊じゃなくて、いろんな色がにじみ合っていく感じ。バラバラだからこそ、混ざった時に奇跡が起きる。ゆっくりでもいいから、面白いと思えることを続けていきたいよね」
RELEASE INFORMATION
リリース日:2025年10月15日(水)
品番:APLS2507
価格:3,300円(税込)
TRACKLIST
1. あらわらわ
作詞:佐藤文香、小田朋美
作曲:小田朋美
2. レンタル神様
作詞:小田朋美
作曲:小田朋美
3. 真空パック
作詞:小田朋美
作曲:小田朋美
4. Psycho Sky
作詞:佐藤文香、井上銘
作曲:井上銘
5. T.I.C.
作曲:小田朋美
6. 沖に出たら
作詞:小田朋美
作曲:石若駿
7. 枝と嵐
作詞:小田朋美、佐藤文香
作曲:小田朋美
8. バラライカ
作詞:佐藤文香
作曲:越智俊介、小西遼、小田朋美
9. つまらない毎日
作詞:越智俊介、佐藤文香、小田朋美
作曲:越智俊介
10. Tiny mirror
作詞:小田朋美、佐藤文香
作曲:小西遼、小田朋美
11. 7月27日
作詞:小田朋美、佐藤文香
作曲:小田朋美
12. You say goodbye
作詞:佐藤文香、小田朋美
作曲:小田朋美
13. manimani
作詞:小田朋美
作曲:石若駿、越智俊介、小田朋美
LIVE INFORMATION
CRCK/LCKS 2nd Album「まにまに」release tour 2025
2025年11月21日(金)宮城・仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
開場/開演:18:30/19:30
席種:スタンディング一般/学割
前売り:5,000円+1d/2,500円+1d
問い合わせ:http://livehouseenn.com/
2025年11月26日(水)大阪・心斎橋 Live House ANIMA
開場/開演:18:30/19:30
席種:スタンディング一般/学割
前売り:5,000円+1d/2,500円+1d
問い合わせ:https://liveanima.jp/
2025年11月28日(金)福岡 INSA
開場/開演:18:30/19:30
席種:スタンディング一般/学割
前売り:5,000円+1d/2,500円+1d
問い合わせ:https://insa13.com/
2025年12月4日(木)愛知・名古屋 CLUB UPSET
開場/開演:18:30/19:30
席種:スタンディング一般/学割
前売り:5,000円+1d/2,500円+1d
問い合わせ:http://www.club-upset.com/home/access/
2025年12月8日(月)東京・渋谷 Spotify O-EAST
開場/開演:18:30/19:30
席種:スタンディング一般/学割
前売り:5,000円+1d/2,500円+1d
問い合わせ:https://shibuya-o.com/east/
出演:CRCK/LCKS
■チケット価格
先行:一般 5,000円/U20(学割)2,500円 +1d
当日:一般 5,500円(学割なし) +1d
※学割:入場時に年齢がわかる身分証を提示していただきます
■チケット販売期間
一般発売日:2025年10月4日(土)12:00~
チケットURL:https://eplus.jp/sf/word/0000084554
企画・制作:APOLLO SOUNDS
