陽気な人間
そう語るように、“プラットフォーム”は爽快なアップナンバーで、アレンジは田中隼人。ダンス・ミュージックを織り込みながら王道のJ-Pop的に仕立てる、そういった手腕に富んだアレンジャーであることは先述の“アンビバレント”でも実証済みだ。
「この曲はDメロで転調をするのですが、Dメロが終わってまた元の調に戻る箇所が、私の作ったデモと違うタイミングで戻ってくる形になっていて、〈なるほど、そういうやり方もあるのか!〉と発見でした。そして、まだ歌詞の入っていないデモ段階のときは〈ラララ♪〉とか〈宇宙語〉のような感じで歌ったりするのですが、なんとそのデモの仮歌を、アレンジの際にトラックとして起用してくださって驚きました。これはなんと言ってるの?という箇所が間奏にあると思いますが、その部分です。遊び心も感じることができて、曲を作ることのおもしろさを改めて教えていただいた気がします」。
こうした曲調では、バラードとはひと味違う彼女の歌の魅力が引き出されるわけだが(むしろもっともっと彼女のアップナンバーが聴いてみたい)、歌詞の作り方や乗せ方など、作業的なおもしろさ、難しさはあったりするのだろうか。
「そうですね……この曲もそうですが、アップテンポのときは勢いとかリズム感をすごく大事にしたいので、歌詞の乗せ方や譜割を重視しています。〈Feeling〉と〈Darling〉の響きが一緒で聴いていて耳に残りやすかったり、聴き心地がよい言葉を組み合わせようと思っていろいろ試したり。“春 ~Destiny~”も小さい〈っ〉の場所にこだわってハネ感を大事にしたり。リズム感や響きを大切にしつつ、アニメの世界観にも沿える言葉を探して歌詞を書くので、パズルをしているような感覚にもなりました(笑)」。
アップテンポな曲調であると、歌っている彼女のキャラクターもずいぶんと違って見えてくる。単純に言えば〈明るい〉とか。バラードで彼女の歌を知っている人にしたら、この人めっちゃ陽気な人なんだなって思うかも知れない。
「私も、たぶん皆さんが思っているより陽気な人間だとは思っています(笑)。初めてお会いした方に〈こんなにおしゃべりなんだね〉〈よく笑うね〉と言われることもあって(笑)。そういうときって、そんなにしゃべったり笑ったりしていたつもりはないので、皆さんの中の私はいったいどういうイメージだったの?となります(笑)」。