じっくり浸透してきたその名を一気に広めた『オリオンブルー』から2年10か月ぶりとなるサード・アルバム。その短くない月日を通じて映画やドラマなどの主題歌に次々と楽曲が起用されたこともあり、オープニングの“それを愛と呼ぶなら”から端正なバラード調のヒット群が空間をドラマティックに染め上げていく。優里による先行配信の“そばにいるよ”、橋口洋平(wacci)書き下ろしの“恋”、Uru自身で作詞したAyase作曲の“脱・借りてきた猫症候群”など顔ぶれ的な広がりもあるが、Uru本人の詞曲による“ランドマーク”“ポジティ部入部”“ハクセキレイ”の3曲はみずから広がりや変化を模索したような表情も垣間見えて実に新鮮な聴き心地。安定感と安心感を備えながらもそれ以上を描いた充実の一作だ。