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楽しさが感じられるといいな

 ジャングルの性急なリズムが光と共に駆け抜けてゆく“何光年?|how far...?”や歌詞のシーンが変わるとヒップホップ的なループへとスロウ・ダウンする“orange and white|白と橙”をはじめ、言葉と音が響き合う楽曲はダンス・ミュージックやヒップホップ、R&Bなど、参照した音楽の幅が一気に広がったことを物語っている。

 「〈ダンス・ミュージックを齧りました〉という感じの曲になって、本職の人につまらないと思われるのは嫌だったので、〈ハウス100選〉みたいな研究本を手に、初期から年代ごとに作品をずっと追っていったり、オールナイトのクラブ・イヴェントに行ったりもしました。自分なりに楽しさが感じられないと曲は作れないし、自分の曲からも楽しさが感じられるといいなと。ヒップホップに関しても、自分の栄養にしたくて、片っ端から聴きました。ヒップホップはリアルな感情や手触りを昇華する音楽、ハウスは根源的なところに訴える音楽なんだなと思ったし、それが名前の付かない感情や関係性をテーマにした今回の作品に昇華されたのは、意味としてはとても合っている。ハウスやヒップホップって時代ごとに入り口になるアーティストがいて、たとえばThe xxはクラブとバンドの接点だと思うし、ア・トライブ・コールド・クエストはバンド好きにも入りやすいヒップホップだと思うんですよ。深掘りした後に、彼らの作品を聴き直したとき、ジャンルの架け橋になってくれていることへのリスペクトが深まりましたね」(鈴木)。