Mikiki編集部のスタッフ4名が〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドする週刊連載、〈Mikikiの歌謡日!〉。更新は毎週火曜(歌謡)日、数無制限でNEWな楽曲を軸に、たまに私的マイブームも紹介していくので、毎週チェックしてもらえると思いがけない出会いがあるかもしれません◎ *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【高見香那】

KILL CITY BOYS a.k.a.でっどえんど “HER BOYFRIEND IS ALTERNA”

クラーク内藤さんをフィーチャーしたでっどえんど名義での“なついんださまあ”という曲が好きでなあ(ドレスコーズ志磨遼平氏も絶賛)。現在はKILL CITY BOYS名義で活動しているらしいユニットから、その“なついんださまあ”に続くサマーチューンが発表されていました。微熱の季節/自意識過剰、寄せては返す後悔の波、あの子とアイツ殺しにいこう/ソーダ水の泡が割れる前に……ドリーミーなトラックの上で鬱屈した少年の夏が歌われています。

 

KEN ISHIGURO『In retrospect there is techno』トレイラー

どついたるねんのうーちゃんによるテクノ・サイドの別名義。沖真秀さんのツイートで知り聴いてみたらグッときまして。これは2曲入りカセットテープのトレイラーで、沖さんによるアートワークもso nice! 欲しい!

 

【酒井優考】

佐藤優介 “キラアク”

PV公開タイミングで紹介するのを逃しましたが、奇才・佐藤優介のキラキラ・ポップに奇才・小池茅(友人)の映像マッシュアップが組み合わさって、令和版Cornelius“Mic Check”とでも言うべきカオスな作品に(いい意味で)。最近の小池茅ワークスにハズレなしなので、ぜひいつかMikikiに登場してもらおうと思います。

 

金属恵比須 “ルシファー・ストーン”

友人シリーズその2。先日、人間椅子のレヴューも書いていただいた高木大地くん率いるジャパニーズ・プログレ・バンド。小説にテーマソングを付けちゃうっていうのが本当ナイス。2:32からのフリー・ジャズっぽい展開が、いかにもドロドロした戦って感じでめっちゃ良い。

 

PENs+ “caramel”

第13回でも書いた4ピースの新譜から。小芝居でニヤリとさせながらも、全員演奏めっちゃテクニカル! 好きなことを楽しんでやってる感じが好感持てます。

 

BurnQue “満員電車のテーマ”

新宿で週3日とかやってる路上ライヴと、毎月100枚限定でリリースしてるシングル(しかも毎月ちゃんと完売)が本当に楽しみで、シングルは絶対に12か月分揃えてやると心に誓いました。この曲はそのうちの〈6月盤〉収録曲で、暑苦しいでしょ~。路上で観るともっと暑苦しいですよ。でも、新宿のどこかでいつの間にか始まってて、ポリスメンに中止させられるまで毎回毎回ドラマがあって、グッとくるんだよなあ。

 

acd. “fragile”

こちらは第12回で紹介した女性3ピース。来るのか? 来るのか? と思わせといて2:15で来たー!!っていう焦らしプレイ。

 

開歌-かいか- “歌の咲く島”

赤い公園へ加入した石野理子さんからアイドルネッサンスに興味を持ち、原田珠々華さんのインタヴューを担当して原田さんの魅力にも気付き、百岡古宵さん率いる開歌-かいか-のことは弊社嶺脇のツイートで知りました(笑)。こんな才能を持った人たちが集まってたアイルネって本当すごいグループだったんだな……って気付くの遅いですよね。この曲、6声合唱? すごくない?と思っていたら、シングルには通常版・インストの他に各メンバー個別の曲も収録されてこの曲だけで8ヴァージョン、カップリングも8ヴァージョンで全16曲収録! そして作詞作曲は、先日インタヴューも掲載されたタカハシヒョウリ(オワリカラ)。いろいろすごい。

 

Laura day romance “sad number”

若くて青くて、いいなあ。

 

【天野龍太郎】

Tenma Tenma “イエロータクシー”

昨年、Local Visionsからリリースした“リハーサル”でも紹介したTenma Tenmaさんのニュー・シングル“イエロータクシー”がすごくいいです。〈Yu-Koh 体験版〉や〈Yu-Koh α版〉でのライヴも強く印象に残っています(関係各位へ。イヴェント・レポートをまだ執筆できておらず本当に申し訳ないです……)。

テンマさんのいいところは、feather shuttles foreverの“提案”などでも聴けるそのセクシーな美声にあると思います。エレクトロニックでグル―ヴィーなベッドルーム・ポップ・サウンドのなかで艶めく歌声。グッときます。あとは〈森で迷った恐竜〉とか、ヴィジュアルが常にかわいいのも最高です。

テンマさんは大阪の北浜をテーマにしたEPも発表されていますが、神戸のTsudio Studioさんや京都のSNJOくんなど、関西のエレクトロニックな音楽家たちは歌心があるんですよね。tofubeatsしかり、これはおもしろい作家性・地域性だと思っています。

 

Maika Loubté “Mountaintop”

Maika Loubtéさんから“NOBARA”に続く新曲が届けられました。待望のニュー・アルバム『Closer』が7月12日(金)にリリースされるとのことで、そちらからのシングルです。この“Mountaintop”は静かに、ひそやかに高揚していくハウスなのですが、コンガのラテン・ビートが重ねられていて、それがうねるシンセとユニゾンしていく様が大変クールです。新作、すごく楽しみですね。

そういえば、マイカさんの歌を初めて聴いたのは↑で酒井さんが紹介されている優介くんのバンド、カメラ=万年筆(caméra-stylo)の曲だったことを思い出しました。

 

植松伸夫 “マトーヤの洞窟”

アメリカのLAで行われたコンサートと〈E3〉でリリース日などの新情報が続々と発表されている「ファイナルファンタジーVII リメイク」。海外でも話題になっており、ついにPS4を買うべき時が来たか……と感じています。

勢い余って〈FFVII〉のサウンドトラックのレヴューを書いたきっかけはリメイクだけでなく、FFシリーズのサウンドトラックがサブスクで聴けるようになったことです。これは快挙です。植松伸夫さんが書いたパワフルな名曲の数々にもう一度出会うためのいい機会だと思いました。

なかでも僕は〈FFI〉の“マトーヤの洞窟”が大好きです。この胸を打つ、悲しげで美しいメロディー。それがすべてです。もちろん“ビッグブリッヂの死闘”(〈FFV〉)とかも最高だけど、この曲もSpotifyの公式プレイリストに入れてほしかった!

 

【田中亮太】

大石晴子 “怒らないでね”

BASEMENTBARのスタッフに書いていただいている連載〈下北沢で噂のあいつら〉で採り上げられていて、〈こんなすごいシンガーがいたのか!〉と驚いた大石晴子さん。タイミングよく(?)5月に配信リリースしたシングル“怒らないでね”のMVが公開されました。手練れのサポート・メンバーが紡ぐ暖かなソウル・アンサンブルのうえで、優美に踊っているかのような歌が本当に素晴らしいです。先週知った僕が言うのも〈何様〉ですが、いまもっとも発見させられるべき才能。