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石若 駿
提供:新宿ピットイン/ピットインミュージック

石若駿ら新世代が担っていくピットインの未来

前回の50周年記念コンサートとの大きな違いの一つは、この10年間で頭角を現してきた若手〜中堅世代のミュージシャンたちが多数出演したことだろう。なかでも特筆すべきはやはり、2日間にわたるコンサートのトップバッターを務めた石若駿率いるAnswer to Remember(アンリメ)だった。石若は50周年記念コンサートでは日野皓正クインテットの一員として出演していたものの、自身がリーダーとなるグループでは今回が初である。そして現在33歳の石若とほぼ同世代のメンバーからなるアンリメは、まさに100周年へ向けて新たな時代を築いていく面々だと言える(40年後、彼らはまだ70代だ)。

コンサートの幕開けを高らかに告げるような石若のドラムソロから始まったアンリメのステージは、特攻隊長よろしくMELRAWが観客を煽りつつ、3管をフロントに敷いた2鍵盤&ベース&ドラムス&パーカッションの8人編成で自己紹介代わりの“ATR Theme”を演奏。続けて“札幌沖縄”ではマーティ・ホロベックのロックなエレキベースに石若が人力ドラムンベースを叩き、MELRAW(アルトサックス)、馬場智章(テナーサックス)、佐瀬悠輔(トランペット)ら第一線で活躍するジャズミュージシャンたちがソロを取った。

Answer to Remember
提供:新宿ピットイン/ピットインミュージック

その後、ラッパーのJua、シンガーソングライターのermhoiとHIMIという、近作『Answer to Remember II』(2024年)にも参加したメンバーをフィーチャー。圧巻はやはり観客の手拍子のなか始まった疾走感溢れる“TOKYO”だったろう。ermhoiのボイスと石若の手数の多いドラミング、それらを完璧に支えるアンサンブルが目眩く展開を生む同楽曲の演奏は、モードが次から次へと移ろいゆく東京の都市風景を想起させるとともに、新しい世代がハイレベルな技術でジャズを21世紀以降の響きとして編み直していることを明らかにするものでもあった。

石若らの活躍はこれだけに留まらなかった。初日5組目、病気のため米国フロリダで療養中の日野皓正がプロデュースしたトランペット・サミット。このセクションでは最後に、4人のトランペッターに佐藤允彦(ピアノ)、加藤一平(ギター)、高橋佑成(ピアノ)、マーティ・ホロベック、高橋直希(ドラムス)という全員が集合し、日野元彦作曲の“It’s There”を演奏していたのだが、途中でドラムが高橋直希から本田珠也に、さらに石若駿に交代するという飛び入りのサプライズがあったのだ。勝手知ったる石若トリオのメンバーを含む編成になると、そこへさらにMELRAWとトモキ・サンダース(テナーサックス)が登場。フリーフォームなサックスデュオを経て、石若駿が壮絶なドラムソロを披露した。その演奏は新宿ピットインはもとより日本ジャズのこれからを担っていく宣言のようにも聴こえたのだった。