歯に衣着せぬ往年のリリーらしさが復活していると話題の7年ぶりの5作目。スペシャリスト・モス客演のダンスホール系からソウル・ポップ、牧歌的なハイパーポップまでをジョルジャ・スミスを手掛けるキト、ブルー・メイ、DJのセブ・チュウらと制作。元夫で俳優のデヴィッド・ハーバーとの破局をテーマに、彼の不貞や裏切りを事細かに綴った暴露本といった様相を呈しているが、怒りや復讐心のみならず落胆や後悔、自己憐憫が随所に溢れ、たおやかで呑気な歌声が、脱力感や喪失感をいっそう助長する。奔放だった若かりし頃とは一線を画した40代の現在地を映し出す。