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つながっている実感で前に進める

一息つくと、XinUはこの日に至るまでの心境をゆっくりと話し出した。「年末にね、けっこう長い時間、漠然と不安に陥ってしまった時間があって。たぶんそれは、1年ぶりのLIQUIDROOMということで、この1年の間に私は一体何ができたのかな、みんなといい時間を共有することができたのかなって考えてしまったからだと思うんだけど。でも、これじゃいかん!って思って、冷静にいっこいっこ振り返ってみたんです。去年の春には初めて海外フェスに出演したけど、あのときも不安だったしなって思い出したり。ピアノの弾き語りも不安だったけど、でもできたしなって思い出したり。〈不安だ。私なんか!〉って思うことは何度もあったけど、でもその度にしっかり取り組んでそれを考えることができたし、そうやっていっこいっこなんとかクリアしていくと、自分が思っていた以上に道が開けるんだなって実感できた。で、そういう小さな積み重ねが今日という日に繋がっているんじゃないかなって、みんなの顔を見ながら、今、思っていました。このなかにも新しいことを始めるにあたって不安になる人がいると思うけど、私も一緒!  私のほうが不安症かもしれない。でも不安になりながらも一歩一歩進んで、またこうやってみんなと会えるときまでに少しでも道を開いて、素晴らしい景色が見れたらいいなと思っています。今日は一緒に時間を過ごしてくれてありがとうございました」。

続いてピアノの弾き語りから始めた“また会いに行くから”の歌唱には、そこで語った思いがそのまま乗っていた。過去のインタビューで「孤独な闘いだといつも思っているけど、そんななかでもみんなと確かにつながっているということに励まされた」と語っていたXinUだったが、つながっている実感と、だから私はまた前に進めるんだという思いが、その歌に込められ、溢れ出していた。

 

やっと会えた!

「まだまだ踊れますか?」と煽って、続いては“いつのまにか”。リラックスした揺れ感が心地よい。そして本編最後の曲。「いろいろあるけど、楽しみなこと、あの人に会えるからここまで頑張ろう、ライブがあるからここまで頑張ろうっていうのを積み重ねて、また元気に会えたらいいなと思います。月曜日から金曜日まで頑張ったらあなたに会えるっていう曲を書いたんだけど、今日は私にとっての金曜日です!  やっと会えた!」、そう話して“Monday to Friday”を。

メジャー移籍第1弾となったこの曲は、いろんなアイデアが出たなかで結局は「自分たちのやりたいことを素直にやろう」「XinUらしい曲を素直に作ろう」という結論に至って完成させた曲だとインタビューで話していたが、そのように素直に自分らしさを表した曲だからこそ、この2026年最初のライブの本編の締めに持ってきたかったのだろう。

 

フロアで直に感じた観客の熱

鳴りやまない拍手に応えてのアンコール。ステージに現れたXinUは「そのへんに行っていいですか?」と言って、アコギを持ったままフロアに降りてきた。そして観客たちの真ん中へ。XinUを囲む形でみんなが座った。2024年12月の初めてのLIQUIDROOMでも彼女はアンコール時にフロアの真ん中で弾き語りをしたが、今回もまたそのように歌いたかったのだろう。つながりを直に感じたかったのだろう。

今回そこで歌われたのは“つながっていて”。「つながっていて 声聞かせて」と願うように歌われる曲だ。アコギを弾き、観客ひとりひとりの目をしっかり見ながらオフマイクで歌うXinU。「“信じること”を ただ信じてみたい もっと」とも歌われる曲だが、〈信じること〉とは、例えばこうしてみんなと一緒に歌えているその瞬間のことであり、つながっているというその実感でもあるのだろう。それがあるから、何よりもそれが信じられることだから、また彼女は歌を作り、ステージに立つのだ。