5年と短くないブランクながら、待たされた甲斐があったと断言したい。前作以降に受けた声帯ポリープの手術や言語療法も関係しているのだろう、ボルチモア出身のシンガー・ソングライターによるサード・アルバムは、歌声や楽曲、空気感に至るまで彼女が〈より生きやすい場所〉に到着したことを告げる傑作だ。プロデューサーはマンマのアーロン・コバヤシ・リッチ。ふくよかで浮遊感に溢れたギターと心地良いグルーヴを紡ぐドラムは、オルタナとシューゲイザーとネオアコの狭間にいた初期レディオヘッドを彷彿とさせる。加えて、随所で清涼な風を吹かせるストリングスが素晴らしい。