今年8月に突如として再結成を発表したオアシス。ノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガーが並んだ最新のアーティスト写真とともにアナウンスされた再結成ツアー〈Oasis Live ’25〉に歓喜する中、長らく待たれた同ツアーの日本公演がついに発表された。
Mikikiでは〈オアシスの遺伝子〉をキーワードに、彼らと通ずる要素を持つアーティストに注目。洋楽編、邦楽編と2回にわたってお送りする。
洋楽編はライターのノイ村に協力を仰ぎ、オアシスからの影響を公言している、またはサウンドやスタイルから彼らの余波を感じ取れるアーティストをピックアップしてもらった。以下を読んでもらったのち、あなたなりの〈オアシスの遺伝子〉を持つアーティストもぜひ教えてほしい。 *Mikiki編集部
ザ・キラーズ(The Killers)
大合唱必至のメロディーと雄大なギターロックで世界中のスタジアムを熱狂させ続けているという点において、彼らが〈オアシスの遺伝子〉を受け継いでいることに異論を唱えるリスナーはまずいないだろう。フロントマンのブランドン・フラワーズ自身も長らくオアシスの大ファンを公言しており、楽曲のカバーやアルバムジャケットのオマージュなど、その影響の大きさを感じられる場面は枚挙に暇がない。だが、何よりも重要なのは〈大衆的であることを一切恐れない〉というスタジアムバンドとしての力強い姿勢ではないだろうか。
サム・フェンダー(Sam Fender)
バンドにおける〈オアシスの遺伝子〉の代表格がザ・キラーズであれば、シンガーソングライターにおける代表格は、伸びやかなボーカルと瑞々しいフォークロックで人々を魅了し続けてやまないサム・フェンダーを挙げたい。その影響は雄大なギターソロが響くノア・カーンとの“Homesick”などにも感じられるものであり、近年のUS/UKを中心としたカントリー/フォークのムーブメントにおいても、オアシスが重要な存在であるという可能性を示唆しているように思える。
スネイル・メイル(Snail Mail)
「オアシスって世界の中で最高にかっこいいバンドの一つじゃない?」と公言し、現時点での最新作となる『Valentine』制作時にずっとオアシスを聴いていたというスネイル・メイルもまた、シンガーソングライター方面における影響力の大きさを象徴しているアーティストの一人だろう。『Valentine』が変則チューニングなどの音楽的実験を取り入れながらも、日常的で親しみやすいムードを纏っているのは、オアシスという普遍的な存在が常に生活の中にあったからかもしれない。
ニア・アーカイヴス(Nia Archives)
今年のサマーソニックとソニックマニアでも大活躍していた、近年のドラムンベースのリバイバルを象徴するアーティストの一人。雄大なサイケデリックロックの中で性急なビートが鳴り響く“Cards On The Table”など、彼女の楽曲には意外なほどにその影響を感じさせるものが多い。当時のオアシスが同時代のロックバンドの中でも特にダンスミュージックとの関わりが深かったことを踏まえれば、こうした既知感はむしろ必然的であると捉えるべきなのだろう。