今年8月に突如として再結成を発表したオアシス。ノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガーが並んだ最新のアーティスト写真とともにアナウンスされた再結成ツアー〈Oasis Live ’25〉に歓喜する中、長らく待たれた同ツアーの日本公演がついに発表された。

Mikikiでは〈オアシスの遺伝子〉をキーワードに、彼らと通ずる要素を持つアーティストに注目。洋楽編、邦楽編と2回にわたってお送りする。

洋楽編はライターのノイ村に協力を仰ぎ、オアシスからの影響を公言している、またはサウンドやスタイルから彼らの余波を感じ取れるアーティストをピックアップしてもらった。以下を読んでもらったのち、あなたなりの〈オアシスの遺伝子〉を持つアーティストもぜひ教えてほしい。 *Mikiki編集部


 

ザ・キラーズ(The Killers)

大合唱必至のメロディーと雄大なギターロックで世界中のスタジアムを熱狂させ続けているという点において、彼らが〈オアシスの遺伝子〉を受け継いでいることに異論を唱えるリスナーはまずいないだろう。フロントマンのブランドン・フラワーズ自身も長らくオアシスの大ファンを公言しており、楽曲のカバーやアルバムジャケットのオマージュなど、その影響の大きさを感じられる場面は枚挙に暇がない。だが、何よりも重要なのは〈大衆的であることを一切恐れない〉というスタジアムバンドとしての力強い姿勢ではないだろうか。

THE KILLERS 『Hot Fuss』 Island(2004)

 

サム・フェンダー(Sam Fender)

バンドにおける〈オアシスの遺伝子〉の代表格がザ・キラーズであれば、シンガーソングライターにおける代表格は、伸びやかなボーカルと瑞々しいフォークロックで人々を魅了し続けてやまないサム・フェンダーを挙げたい。その影響は雄大なギターソロが響くノア・カーンとの“Homesick”などにも感じられるものであり、近年のUS/UKを中心としたカントリー/フォークのムーブメントにおいても、オアシスが重要な存在であるという可能性を示唆しているように思える。

SAM FENDER 『Hypersonic Missiles』 Polydor/ユニバーサル(2019)

 

スネイル・メイル(Snail Mail)

「オアシスって世界の中で最高にかっこいいバンドの一つじゃない?」と公言し、現時点での最新作となる『Valentine』制作時にずっとオアシスを聴いていたというスネイル・メイルもまた、シンガーソングライター方面における影響力の大きさを象徴しているアーティストの一人だろう。『Valentine』が変則チューニングなどの音楽的実験を取り入れながらも、日常的で親しみやすいムードを纏っているのは、オアシスという普遍的な存在が常に生活の中にあったからかもしれない。

SNAIL MAIL 『Valentine』 Matador/BEAT(2021)

 

ニア・アーカイヴス(Nia Archives)

今年のサマーソニックとソニックマニアでも大活躍していた、近年のドラムンベースのリバイバルを象徴するアーティストの一人。雄大なサイケデリックロックの中で性急なビートが鳴り響く“Cards On The Table”など、彼女の楽曲には意外なほどにその影響を感じさせるものが多い。当時のオアシスが同時代のロックバンドの中でも特にダンスミュージックとの関わりが深かったことを踏まえれば、こうした既知感はむしろ必然的であると捉えるべきなのだろう。

NIA ARCHIVES 『Silence Is Loud』 Hijinxx/Island(2024)

 

フォンテインズD.C.(Fontaines D.C.)

紛れもなく現代のロックシーンの先頭を走るバンドの一組であり、オアシスの再結成に対しても「未来を見据えて新しいものを作ろうとしているから迷惑」(コナー・ディーガン3世)とバッサリ。一方で、芳醇なギターロックの質感やボーカルスタイルからは、その影響を感じ取ることができるのも確かだ。ちなみに、上記の発言を受けて、リアムは彼らを〈Spunkbubbles〉呼びした挙句、「もっといい服を着たローディーを見たことがあるぜ」といつも通りの反応を見せている。

FONTAINES D.C. 『Romance』 XL/BEAT(2024)

 

MGMT

活動をスタートさせた最初期の頃からサイケデリックな音像にどこかオアシスに通ずるものを感じ、最新作『Loss Of Life』でついにその影響を確信したリスナーも、きっと少なくないはず。バンド自身も「オアシスっぽいところがある」と語った“Mother Nature”のような直球のサイケデリックロックはもちろん、作品全体から感じられる風通しのよさにも、その影響が表れているように思える。

MGMT 『Loss Of Life』 Mom + Pop/ソニー(2024)

 

CMAT

今年のマーキュリー・プライズにおいてノミネートを果たしたアイルランド出身のシンガーソングライター。じっくりと重厚にムードを作り上げながら、同時に風通しのよさや瑞々しさを感じられるサウンドは、特に5th〜7thの後期オアシスからの影響を強く感じる。彼女自身もオアシスの再結成にはかなり熱狂的なリアクションを寄せており、SNS上で再結成公演のサポートアクトに立候補するだけではなく、個人的に3公演分のチケットを手に入れるという大ファンぶりを発揮している。

CMAT 『Crazymad, For Me』 CMATBABY(2023)

 

オーロラ(AURORA)

2016年にイギリスの老舗百貨店のクリスマス企画として発表した“Half The World Away”のカバーは、オアシスファンもフェイバリットとして挙げることの多い名作だ。ノエルらしさが存分に発揮された、日々の生活における繊細な感情の動きを鮮やかに切り取ったリリックを、オーロラは孤独感に満ちたサウンドスケープで見事に表現している。それは、自身のオリジナルの楽曲で描かれる世界観とも地続きのものであり、だからこそ見事な仕上がりとなったのではないだろうか。

AURORA 『All My Demons Greeting Me As A Friend』 Decca(2016)

 

マスター・ピース(Master Peace)

初期アークティック・モンキーズやフレンドリー・ファイアーズ、クラクソンズといった2000年代のUKロックを愛してやまないピース・オケイジーによるソロプロジェクト。まさに同時代を彷彿とさせるようなクールで踊れるサウンドが魅力だが、“Panic101”に象徴される開放的でフレッシュなメロディーセンスはオアシスからの影響を色濃く感じさせるものだ。彼の楽曲は単なる〈あの頃〉の模倣ではなく、より日常に寄り添い、身体に馴染むような感覚を与えてくれる。

MASTER PEACE 『How To Make A Master Peace』 PMR(2024)

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