Schroeder-Headzこと渡辺シュンスケとのバンドであるcafelonの一員として、あるいはギタリスト/プロデューサー/作詞・作編曲家といった裏方として。石崎光の名を見かける場面は多くあるが、ここでは楽曲にヴィヴィッドな彩色を施すプロデュース/アレンジ仕事に焦点を当ててみよう。
まずはインタヴュー中でも触れられているRie fuの2009年作『URBAN ROMANTIC』。3曲を編曲した本作では、特に冒頭の“Something In My Head”が最高。チープなシンセとキース・ムーンばりのドラムが彼女のコケティッシュな魅力を増長している。続いては、タニザワトモフミの2012年作『何重人格』。ここではビートルライクな“四季娘”をはじめ、表題通りの多面的なアプローチが楽しめる4曲に携わっている。また、2013年は東京カランコロンが発表した2枚のフル作に連続登板。ベタなムード歌謡風の“渚のセレナーデ”など振り切ったアイデアで、バンドのエンターテイメント性を強調している。
そして、吉澤嘉代子の作品ではインディー期から現在まで多数の楽曲をアレンジ。大滝詠一やモータウン風の歌謡ポップで過剰にガーリーな音世界を演出している。最後は共同プロデューサーとして全編に参加した、堂島孝平の最新作『フィクション』。本作ではフランク・シナトラからELOまでを想起させるポップ狂ぶりを発揮することに。さらに2014年はNIKIIE“UNCONTROL”などにも関与しているが、総じて感じられるのは石崎のマニアックなリスナー気質。それが遊び心満載の多彩な発想力に繋がっているのだろう。
▼関連作品
左から、Rie fuの2009年作『URBAN ROMANTIC』(ソニー)、タニザワトモフミの2012年作『何重人格』(バップ)、東京カランコロンの2013年作『We are 東京カランコロン』(avex trax)、吉澤嘉代子の2014年のミニ・アルバム『変身少女』(e-stretch)、堂島孝平の2014年作『フィクション』(インペリアル)
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