タイの人気エンターテインメントカンパニーGMMTVの日本限定アルバム第2弾『ベスト・オブ・GMMTV Vol.2』がリリースされた。2025年に発売された第1弾はBLドラマを中心としたラインナップだったが、第2弾となる今回は本国タイで大きな話題となった人気のGLドラマの楽曲も収録されている。ここでは全22曲の中から特に聴くべき5曲をライターの伊藤美咲に選曲・レビューしてもらった。 *Mikiki編集部
タイ版「おっさんずラブ」などGMMTV作品の音楽をまとめて楽しめる
昨年、タイを代表するテレビ制作会社GMMTVのドラマや映画の主題歌などを収録した日本限定のコンピレーションアルバム『ベスト・オブ・GMMTV』がリリースされ、大きな反響を呼んだ。その反響を受け、第2弾となる『ベスト・オブ・GMMTV Vol.2』が発売された。
本作には、GMMTVの人気ドラマを彩ってきた楽曲群に加え、日本限定のボーナストラックが2曲収録されている。前作同様、全22曲という充実のボリュームで、まさに同社の音楽的アーカイブを俯瞰できる1枚と言えるだろう。本稿では、本作から特に注目すべき5曲をピックアップして紹介する。
ジェミナイ、フォース “Re-move on”
(from「消えた初恋/My Love Mix-Up!」)
『ベスト・オブ・GMMTV Vol.2』の1曲目を飾る楽曲。「My Love Mix-Up!」は、勘違いから始まる高校生のピュアな恋と友情を描いた大ヒット漫画を原作としたBLドラマで、日本でも道枝駿佑(なにわ男子)と目黒蓮(Snow Man)のW主演で2021年にドラマ化され、注目を集めた作品だ。タイでは2024年にリメイクされ、主題歌である“Re-move on”のMVは現時点で3,100万回以上も再生されている。
“Re-move on”は、消そうとしても消えない恋心をミディアムテンポで歌ったポップナンバー。ジェミナイとフォースはそれぞれの役(ゴンタップとアトム)のまま歌唱しているようで、歌詞には重要なアイテム〈消しゴム〉が登場するなど、まさにドラマに寄り添った楽曲となっている。切なさを帯びつつも、“Re-move on”のタイトルどおり、忘れられない思いを胸にもう一度前へと進もうとするニュアンスが楽曲全体をやさしく包み込む。2人の質感が近い歌声による自然な掛け合いはとても心地よく、楽曲の余韻をより奥深いものにしている。
ナムターン・ティパナリー、フィルム・ラチャナン “Pluto”
(from「Pluto」)
近年、タイではGLドラマの人気も急上昇している。「Pluto」は双子の姉が妹の恋人を愛してしまうという物語で、ナムターンは1人2役で双子の姉妹を、フィルムは視覚障碍を持った妹の恋人と、それぞれが難しい役を見事に演じている。
ドラマのオープニングを飾る“Pluto”は、冥王星を意味する言葉。例えお互いが別の星に住んでいたとしても、心が通じ合っていれば距離は関係ない、そんなテーマを繊細に描いた1曲だ。可憐な歌声の中に、愛を信じる芯の強さが感じられる点も印象的で、ドラマの世界観をより深く引き立てている。
アース・ピラパット、ミックス・サハパー feat. ジェニー・パナン “Stuckling”
(from「おっさんずラブ・タイランド」)
日本で大ヒットした「おっさんずラブ」のタイ版リメイクの主題歌。タイ版は「おっさんずラブ」で主演を務めた田中圭がカメオ出演したこともあって、日本でも話題となった。
スキマスイッチやsumikaが手がけた日本版の「おっさんずラブ」シリーズの主題歌はミドルテンポで切ないバラードだったこともあり、“Stuckling”を初めて聴いたときは思わず驚いた。こちらは一転して明るくポップで高揚感のあるT-POPナンバーで、MVではダンスとともにアースとミックスのコミカルな関係性が描かれているほか、客演のジェニーのはっちゃけた姿も見逃せない。キャッチーなフレーズも相まって、ドラマを視聴している時のように気分をぐっと引き上げてくれる曲だ。
