メジャーから離れて完全自主制作となる7作目は、〈試練の時〉という表題が示唆する通りシリアスで内省的な作品に。レナード・コーエン“You Want It Darker”のサンプリングとクワイアの重々しい声が影を落とす“Death Of Love”、ドリーミーなドゥワップ調の“I Had A Dream She Took My Hand”における祈りにも似た荘厳な高ぶり、ディジー・ラスカル“I Luv U”の引用と共に魂を飛翔させる“Days Go By”とデイヴを迎えた沈鬱な“Doesn’t Just Happen”の対比。静謐をも雄弁に扱うエレクトロニクスと生楽器の融和、そのなかを揺らめく歌声が神聖に響く、孤独で親密な一枚だ。
ジェイムス・ブレイク(James Blake)『Trying Times』エレクトロニクスと生楽器の融和、揺らめく歌声が神聖に響く孤独で親密な1枚