日本発売もされたミックステープを挿んで発表した2作目のフル・アルバムがCD化。娘の出産や友人マック・ミラーの死、YGとの破局などを経た彼女が、それらへの感情を吐露しながら官能も交えて歌う本作は、過去作より抑制を効かせたトラップ系のサウンドでダウナーな雰囲気を醸し出す。失恋がテーマの“Grieving”にジェイムズ・ブレイクがすんなり溶け込めたのも納得だ。ポップ・ワンゼルらの制作でアリーヤの曲を引用した00年代R&B的な“Can I”に滲むノスタルジーは、マセーゴのサックスが緩やかに舞う“Hate The Club”やラッキー・デイを迎えた“Can You Blame Me”といったスロウにも感じられる。急逝した盟友レクシィ・アリジャイが生前にラップしたアウトロまで、思慮深くかつドラマティックに迫る。