2018年の前作『El Mal Querer』以来、スペインから世界を手玉に取って翻弄してきたロザリアの3作目。自身のルーツであるフラメンコからサルサ、レゲトン、バチャータといったラテン・サウンドはもちろんのこと、ヒップホップ、R&B、ポップ、エレクトロまでを掬い上げて見事に昇華している。同郷のエル・グインチョ、J・バルヴィンの右腕スカイ、ネプチューンズ、ジェイムズ・ブレイク、ウィークエンドらを引き入れ、ブリアルを大胆にサンプリングしたり。だが、手綱を握っているのは彼女に他ならない。過激な性描写から繊細な内面まで、二面性が描かれるテーマや、日本語が飛び交うサイバー感もぶっ飛びまくり。聴けば聴くほど興味尽きないこの不敵な先進性は、リアーナがやりたかったのでは?なんて思ったり。