
鈴木慶一が選ぶ、冷えたビールのつまみになるレコード
――では、ここで酒のつまみに慶一さんに選んでもらったレコードについて伺いたいと思います。今回は6枚選んでいただきましたが、そのなかで1枚はintoxicate用に、1枚はMikiki用に選んでいただいて、ここではMikiki用に選んだアルバムについての話をしていただきたいと思います。どれにしましょう。
「ティラノサウルス・レックス『My People Were Fair And Had Sky In Their Hair... But Now They’re Content To Wear Stars On Their Brows』(1968年)にしようかな。
発売当時、高2の時に買った日本盤のレコードは聴きすぎてジャケットがボロボロになってる。確か『ティーンビート』とか何かの雑誌で紹介されて興味を持ったんだよ。プロデューサーはトニー・ヴィスコンティだけど、バンド名からどんな音楽が想像できないんで興味があったんだ。聴いてみたらギターとパーカッションという組み合わせで、これは面白いぞと。それで弟(鈴木博文)に声をかけて2人で似たような音楽をやってみたんだ」

――それって、はちみつぱいを結成する前ですよね?
「前だね。日本語のオリジナル歌詞を書いて、私がギターを弾いて弟がパーカッション。ライブもしたよ。あがた(森魚)がライブを企画したことがあってそこに出たんだけど、ひどい曲だったな(笑)」
――慶一さんと博文さんは90年代にTHE SUZUKIというユニットを結成しますが、当時は何と名乗っていたんですか?
「覚えてないなあ。もしかしたら、はちみつぱいと言っちゃってたかも。確かな記憶じゃないけどね。奇しくもPANTAもこのアルバムが出た時に買ってるんだよ。だから頭脳警察の初期はアコースティックギターとパーカッションっていう組み合わせだった」
――そうでしたね。ティラノサウルス・レックスは、その後、T・レックスと名前を変えてブレイクします。
「T・レックスになってから聴かなくなった(笑)グラムロックがダメというわけではないけど、あまりにも音が変わってしまったからガクッとなってしまったんだ。だからT・レックスのレコードは一枚も持ってない」

――グラムのT・レックスよりサイケなティラノサウルス・レックスの方が酔いが回るような気がします。ちなみに慶一さんは仕事をしながら飲むこともあるんですか?
「昔はあったけど今は一切飲まない。飲むと判断が甘くなるし、ミスが増える。耳に影響が出るしね。ただ、歌詞を書くときにアルコールが効くことがある。酔うと突拍子もない言葉が思いついたりするんだ。
そういう時はビールよりジンの方が効くね。ビールはリラックスしちゃうけど、ジンは頭をドンドン叩いてくるから頭が冴えてくるんだ。90年代はジンばかり飲んでたよ。でも、注意しないとジンを飲みすぎた次の日は大変なことになる(笑)」
――今日はビールだから何杯飲んでも大丈夫ですね。
「ただ、今日は朝から何も食べてなくて、今飲んでいるビールは〈朝ビー〉。だから、いつもより酔いがまわるのが早くて、だんだん気持ちよくなってきた(笑)」
鈴木慶一が選んだ6枚

・Ned Doheny『Hard Candy』
・Mose Jones『Get Right』
・Tyrannosaurus Rex『My People Were Fair And Had Sky In Their Hair... But Now They’re Content To Wear Stars On Their Brows』
・Frankie Miller『A Perfect Fit』
・Kate Bush『Aerial』
・Sad Café『Fanx Ta-Ra』