〈SEXY BASS & DIRTY GHETTO MUSIC〉という看板に偽りなしの、とにかくノレてアガって踊れるDJプレイと、低音がブンブン唸る現場仕様のプロダクションで、クラブ~ヒップホップ畑を中心に活動の場を広げている、BINGOGUNHEADによるDJ/プロデュース・ユニット、HABANERO POSSEベース・ミュージックの祭典〈Outlook Festival 2014 JAPAN LAUNCH PARTY〉のサウンドクラッシュにおいて、LEF!!! CREW!!!Booty Tuneという強豪を押しのけ、堂々2連覇を達成したことからも、そのお祭り野郎としての実力が窺い知れることだろう。

HABANERO POSSE Wickedpedia SPACE SHOWER(2014)

 そんな彼らが、ユニット名義で初めて世に放つフィジカル作品が、このたびのミックスCD『Wickedpedia』だ。ネット・ラジオのblock.fmで自身が持っている番組名を冠した本作は、自身のリミックス/プロデュース・ワーク及びオリジナル曲からのみ選曲し、みずからミックスを手掛けた純度100%のハバネロ・ドリンクと呼べる代物。倖田來未RIP SLYMEなどのメジャーなリミックス仕事から、AIR BOURYOKU CLUBとの変則ジューク“190000Co.”や、得意のムーンバートン使いが炸裂したANARCHYのクラブ・バンガー“SHAKE DAT ASS”といったプロデュース・トラックまで、嬉しい初CD化曲もたっぷりと織り込みながら、全25曲を息つく暇なくガシガシと数珠繋ぎしている。

 それにしても改めて彼らの仕事を束で聴くと、トラップトゥワークといった時流のサウンドのみならず、エレクトロ・ファンクマイアミ・ベースゲットー・テックなどの脈々と続くベース・ミュージックの歴史をしっかりと踏まえたギンギンのグルーヴに、理性のネジが吹っ飛んでしまう。特に声ネタのチョップ技はもはや神業級の冴えを見せており、シャウト番長のDJ TY-KOHを迎えた冒頭の新録曲をはじめ、大胆不敵な改編で話題を呼んだRHYMESTERのクラシック“B-BOYイズム”、特徴的な粘っこいフロウが耳について離れなくなるSMITH-CN“ROLLIN'”のリミックスなどで聴ける怒濤の押しはまさに彼らの真骨頂だ。KOHHの〈おしり〉〈おっぱい〉連呼が執拗にインサートされるDJ SOULJAH“aaight”のリミックスは、下世話さを通り越していっそ清々しさを感じるほど。う~ん、お腹おっ……じゃなくていっぱい! ハバネロの激辛テイストを未体験の人はお試しあれ~。

 

 

▼HABANERO POSSEの参加作品を一部紹介

左から、ANARCHYの2014年作『NEW YANKEE』(CLOUD 9 CLiQUE)、2013年のコンピ『DEEP INSIDE of FILE RECORDS CLASSICS -compiled by YANATAKE & SEX山口-』(ファイル)、PARKの2013年のレーベル・コンピ『PARK COMPILATION 01』(PARK)、PART2STYLE SOUNDの2014年の企画盤『BASS STATION』(FUTURE RAGGA)
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