DANCE BETWEEN THE LINES
[特集]ダンスフロアはいま、どこにある?
オンもオフもなく、多才な音楽家が自由に活躍する昨今。何かと何かの間に広がる巨大なフロアは、こんなに楽しいダンス・ミュージックで揺れているよ!
生身のシンガーを多くプロデュースしつつも、自身の作品では一貫してボカロの可能性を追求し続けるクリエイター。トランシーなシンセが乱舞するエレクトロ・ハウスを基調としたド派手なEDMは、本特集のなかでも特に大バコがよく似合うもの。幾度も押し寄せる昂揚感の大波にさらわれます。
本作にも収録されている2012年の特大アンセム“水星”を経て、いまやシーンのアイコンとなった彼。ネットを拠点にしていた頃のインスタントでイノセントな輝きを残すこの初アルバムは、高まり続けるパーティーの狂騒にみずから飛び込みつつ、そこから一歩引いたシニカルな視点も同居させた華麗なる傑作に。 *北野
2011年にMaltineからのフリー音源『Intense Electro Disco』で注目を集め、海外レーベルからのリリース経験も豊富な若き新星。極太のウォブル・ベースを叙情的なシンセで包み込む剛腕ぶりは、本作はもちろんフォーリン・ベガーズやNegiccoのリミックス、SALUへのトラック提供でも発揮されてます。 *北野
Maltineと東京女子流によるコラボ作品。tofubeatsとokadadaの2人から成るdancinthruthenightのディスコなラップ曲を筆頭に、Gigandectの激走チップ・チューン、EW&Fのアレが脳裏をよぎるAvec Avecのメロウ・フローターなど、普段の彼女たちとは装いの異なる新曲にドキドキ。Hercelotや芳川よしのらによる女子流曲のリミックスも収録。 *北野
アニソンもボカロ曲も並列でフロアに落とし込むDJが、EDMをテーマに海外の話題曲と日本勢による新曲を繋げることでそのクォリティーを証明してみせたミックスCD。Rie fuを迎えて大バコ映えする歌ものに挑戦したy0c1eや、キラキラしたアップで攻めるfu_mouら、いまやメジャー仕事が多い面々の楽曲も! *北野
NEW HOUSEのメンバーも含むDJクルーの初CDは、サ上とロ吉、Seiho、CRZKNY、PART2STYLEなどなど、全60曲を持ち前のハードコア感覚でミックス。食品まつりなどようやく銀盤に名が出はじめた面々も多く、いわば、本特集のテーマ=オンとかオフとかの間にあるフロアをゲットー化したらこんな感じ!? *土田
ブロステップ~ハーフステップ流れの容赦ない重低音が炸裂する本作でCDデビューを果たした彼もまた、MaltineやTREKKIE TRAXといったネット・レーベル発の作品で鍛錬を積んできた俊英。メロディアスな側面が強調されたLASTorderとのユニット、The Wedding Mistakesでも活動中です。 *北野
オタク趣味がダダ漏れなミクステ作品をネットに放流する一方で、Lil'諭吉名義でZeebraから泉まくらまでと手合わせするラッパー/トラックメイカー。本作収録のニーソ讃歌“KN33SOXXX”がアニメのキャラソンでカヴァーされたりと、あらゆる場所で予想外の反応を引き起こす目の離せない存在と言えそう。 *北野
ベース音楽×ダンスホールなスタイルの実力派クルーが7インチで発表してきた曲を精鋭たちが改編。Miiiらのほか、眩いシンセと暴力的なエディットでアグレッシヴな未来感を提示したBROKEN HAZEやブーミーなダブステップとレイヴが交錯するSeimei & Taimeiなど無条件でアガる曲ばかり! *土田
ジューク/フットワークに特化した東京のレーベル、SHINKARONを主宰する現場叩き上げの実力派DJ。レーベルにとっても初のフィジカル作品となる本作では、ミスター・デーのゲットー・テック名曲をモロ使いするなど、過去の文脈を踏まえた乱痴気騒ぎが最高! soakubeats曲のリミックスも収録してます。 *北野
ゼッドやファレルとも絡むシーンの第一人者による、最新のボカロ作品。煌びやかでソング・オリエンテッドな〈らしい〉エレクトロ・ポップが並んでいるが、なかには〈王道よりもベタをめざした〉という8分の6拍子のバラードや、EDMに直球で取り組んだナンバーも。そしてTeddyLoidのリミックス仕事はここにも! *土田
millstoneやATOLSなど、クラブ寄りのアプローチにも積極的なボカロPは数多くいますが、吉川友や小野恵令奈の楽曲も手掛ける彼はポストlivetuneの最右翼と言えるかも。エレクトロ・ポップ調の星屑のように煌めくサウンドはもちろん、それ自体が輝きを放つかの如きメロディーの青春度がハンパない! *北野