満を持してのサード・アルバム『Aromatic』
ヴォーカルも入った新たなアプローチ
bohemianvoodooは2008年結成されたインストゥルメンタル・バンド。メンバーはbashiry(ギター)、木村イオリ(ピアノ/キーボード)、Nassy(ベース)、山本拓矢(ドラムス)の4人編成。2010年、1stフル・アルバム『Lapis Lazuli』を発表。2012年にリリースした2nd『SCENES』はタワーレコード各店のTOPチャート上位を獲得し続け、異例のセールスを記録。2014年1月、ブルーノート東京に出演し、名実とも人気ジャズ・バンドとして注目を集めている。
そしてロングセラー『SCENES』から2年。さらに洗練された香りをもった傑作『Aromatic』が誕生した。ノスタルジックでチャーミングなM1、多彩な展開で息をつかせないM7、せつなく心をくすぐるさりげないグルーブ感が心地いいM9、ナチュラルな息づかいが隅々まで刻み込まれているM11、威風堂々としたアジテーションに圧倒されるキラー・チューンM12など類い稀なる音楽センスに酔いしれる全13曲。
――多くのファンから支持された『SCENES』から2年。大きな変化はありましたか?
「ライヴに若いリスナーが多く訪れるようになったのを感じています。大学生も増えました。音楽シーンの変化も強く感じています。Playwrightレーベルの誕生もあり、インスト音楽が浸透してきた感覚があります」(木村イオリ)
「bohemianvoodooはリスナーにとって聴きやすい、親しみやすいサウンド作りをメンバーで共有しています。曲をメンバーで共有して、スタジオで丁寧にアレンジしていく。2年前にドラムが山本拓矢に変わり、変拍子、複雑なリズムも取り入れてきました。今回のレコーディングにあたり、初心に戻って4人でのサウンドを表現したいと強く感じていました」(bashiry)
――『Aromatic』を聴いたあと、何故かダニー・ハサウェイやウェス・モンゴメリーを聴きたくなってしまいました。なぜでしょう?
「メンバー各々影響されている音楽があり、bohemianvoodooにはジャンルを越えたサウンド要素があるからだと思います。今年1月にブルーノート東京出演の際にアレンジをしたジャズの名曲“Cleopatra’s Dream”を収録しました。bohemianvoodooを通して若いリスナーが様々なジャンルのアーティストを知るキッカケになれば嬉しいです」(木村イオリ)
――『Aromatic』では3曲でヴォーカリストが入り、bohemianvoodooならではの新たなアプローチが新鮮ですね。
「4人で作り上げるインストに強いこだわりを持っており、ヴォーカリストを入れることには迷いもありました。しかし、ライヴなどでセッションも行っているAki SawazakiとHiro-a-keyとなら、良い作品ができるとの確信があり、2人には曲作りから参加してもらいました。今回、自分たちで作った曲にヴォーカルを入れるアプローチでサウンドを作りあげていきました。1stに収録しているセルフ・カヴァー“Jet Setter”もまったく新しい作品になっています。『Aromatic』は今のbohemianvoodooを感じていただける作品に仕上がりました」(bashiry)
fox capture plan、ものんくるなどワクワクする新世代のバンドが増えてきているが、bohemianvoodooはその中でも新たなシーンを切り開くバンド。ジャンルの壁を飛び越え、多くのファンに支持されていくであろう。