引退騒動から約4年、ケンドリック・ラマーロバート・グラスパーとの共演を含む断続的な露出やソングライター活動を経てサード・アルバムが届いた。ミッシー・エリオットの参加はないものの、サラーム・レミが引き続き後見役を担い、参謀のアント・ベルチャック・ハーモニーも続投している。が、今回はサラームと共同で手掛けた“Dumb”をはじめ、多くの曲をプロデュースしたキー・ウェインこそが文字通りのキーマンだろう。なかでも浮遊感のある意匠とクワイエット・ストーム的な美旋律が生々しく絡む“Mascara”や“Let It Burn”は素晴らしい! 初顔合わせではDJダーヒーの仕事もいい感じだし、何よりガラージでもレトロ路線でも圧倒的な歌唱の存在感が嬉しすぎる。浴びるように堪能したい傑作!