約30年間で残した長編は5本。『恐るべき子供たち』と呼ばれたレオス・カラックスが残したアレックス三部作が遂にBlu-rayとなる。ゴダールと対比される事も多いが、改めて観直すとトリュフォー的な瞬間の美学が観るもの全ての脳裏に焼きつく巧みさを改めて痛感した。カラックスの映画を思い起こすとき、ストーリー的なものや台詞ではなく、映画の瞬間が頭をよぎるのは私だけではないはず。有名なDavid Bowie《Modern Love》での全力疾走。映画に愛されてしまった男が若干26歳で作り上げた奇跡の瞬間。本作こそ、Don't Think,Feel...ではないか。