コアラが歌いにやってきた! 地道な活動で名を広めてきた2人組が、春の予感に満ちた虹色のシンフォニーを響かせながら颯爽と登場!

 メリハリの効いたメロディーと、ストリングスたっぷりの鮮やかなサウンドに乗って踊るのは、木漏れ日のように朗らかな歌声。演奏も曲が進むにつれて彩りを増し、気付けば何百もの花々に囲まれているかのよう。コアラモード.のメジャー・デビュー・シングル“七色シンフォニー”が描き出すのは、いきものがかり“気まぐれロマンティック”にも似た、理屈抜きで心を躍らせる春の景色だ。

コアラモード. 七色シンフォニー ARIOLA JAPAN(2015)

 18歳の頃よりシンガー・ソングライターとして活動してきたあんにゅ(ヴォーカル/ギター)と、あらゆる楽器をこなすマルチ・プレイヤーで、中孝介カサリンチュの作品に編曲で参加した実績を持つ小幡康裕(キーボード/ギター/ベース/ドラムス/プログラミング)から成るコアラモード.。2013年の結成以来、動画サイトを通じてオリジナル曲やカヴァー音源を発表し、2014年からは地元の横浜で定期的にストリート・ライヴを行うなどして、徐々にその名を広めてきた。同年11月に一部店舗で発表したシングル“メモリーズ”は、TV番組「saku saku」のエンディング・テーマに抜擢されているので聴き覚えのある人も多いはずだ。

 そんな追い風に乗って届けられた今回の新曲“七色シンフォニー”は、クラシック音楽を題材にした青春アニメ「四月は君の嘘」(詳細はこちらをチェック!)の第2クールのオープニング・テーマとしても話題のナンバー。〈チャイコフスキー〉や〈ドレミファソ〉といった言葉を散りばめながら、〈太陽のように思える人〉と巡り会えたことの幸せを書いた歌詞は、目の前に情景が浮かぶような作りで、聴き手の心にスッと入り込む。カップリングに置かれたラヴァーズ調の卒業ソング“あのさ、あのね”も同様だが、まるで純愛系の少女漫画みたいにピュアなストーリーがそこにはあって、聴いた後に何だか甘酸っぱい気持ちを残してくれるのが魅力だ。

 と思いきや、3曲目の自己紹介ソング“We Are Coalamode.!!”では、あんにゅが〈歌のおねえさん〉っぽく振る舞いながら元気いっぱいにラップするという、ファンキーな一面も披露。まずはタイプの異なる3曲を揃えて、引き出しの多さをバッチリとアピールしている。

 時に憂いの表情を見せながらも、あくまで晴れやかに響き渡るあんにゅの歌声と、小幡の創意工夫をたっぷりと盛り込んだアレンジ――コアラモード.のポケットからは、これからも次々とカラフルでハートウォーミングなナンバーが飛び出してくるに違いない。