『Breezin'』と共に楽しみたい、昨今の〈洋モノ〉グルーヴあれこれ
ジャズ、フュージョン、AOR、ソウル、ファンクといったサウンドを内包しながら、あくまでも自然に、小松秀行自身の感覚にフィットする音楽を編み上げた『Breezin'』。ここでは、そんなアルバムと並べて聴きたい、昨今の洋楽作品をいくつか紹介していきましょう。
3人の女性ヴォーカルを擁するカナダの10人組バンド、スパンデッツのデビュー作は、ハワイアンAORバンド、レムリアのカヴァー“Hunk Of Heaven”が、なんてったってブリージン。ノルウェーのブルーアイド・ソウル系バンド、ハイ・レッドのファースト・アルバムは、ボビー・コールドウェルのカヴァーなどジェントルでアーバンなメロウ・チューンを満載してます。同じく欧州産では、フランスのファンク・ユニット、ミスター・プレジデントの2作目もオススメ。ホール&オーツ“I Can't Go For That(No Can Do)”の洒落たカヴァーが美味です。
また、山下達郎に影響されたというインドネシアの4人組、イックバルの初作は、その昔だったらクレスプキュールあたりから出ててもおかしくなさそうな、上品で青みがかったソウル・フィーリングが清々しい一枚。骨のあるところでは、ジャズ・トランペッターのニコラス・ペイトンのアルバムでもフィーチャーされたブッチャー・ブラウンのファースト・アルバムや、『Head Hunters』(73年)をはじめハービー・ハンコックの諸作で名演を残してきたベーシスト、ポール・ジャクソンの最新作が、アーバンなグルーヴを聴かせてくれます。近年、活動を活発化させているブランニュー・ヘヴィーズから届けられたファンキーなインスト・アルバムなんかもご一緒に。