2013年にラフ・トレードより鳴り物入りでデビューした、UK若手世代の最有力株とも言うべきバンドが放つ2作目。プロデュースにジョン・レッキーを迎えているのだが、ジョンが英国人アーティストと組むのは5年ぶりのこと。否が応にも期待が高まるなか、本人たちはどこ吹く風といった感じで、30秒にも満たない鼻歌のようなプロローグから軽妙にスタートする。とはいえ、気負いはないが気合いは十分。クラッシュやリバティーンズの魂を継承したパンキッシュな疾走チューンに、キンクス風のおとぼけソングなど、UKロックの粋を極めたような楽曲を並べている。そこにダーティーでガシャガシャした雰囲気が加わり、90年代のUSローファイにも似た妙な旨味を醸している点がすこぶるおもしろい。