コラム

架空の街の地図を描き続けてきたceroの、4つの音楽冒険譚

【特集:都市インディーの源流】 Pt.3

 かつて、はっぴいえんどが架空の街〈風街〉を描いたように、2004年に結成されたceroの歴史は、2011年のファースト・アルバム『WORLD RECORD』において、同時多発的に起こる出来事をピックアップしながら架空の街の地図を描くことから始まった。スフィアン・スティーヴンスやワイ?に代表されるポスト・ロック以降のUSインディー、フォーク・ロックからエキゾ音楽に至る日本の70年代のポップスの流れを融合させた彼らの音楽性は、瞬く間に進化。トーキング・ヘッズをはじめとした80年代のニューウェイヴミュータント・ディスコに新たなエキゾティシズムを発見した彼らは、翌2012年に2枚目のフル作『My Lost City』を発表。前作で描いた街を壊し、水浸しの風景のなか、時間軸に沿って進んでゆく箱船に象徴される神話的なストーリーは、意図せずして震災とシンクロし、不思議なリアリティーを持つに至った。

【参考動画】ceroの2011年作『WORLD RECORD』収録曲“大停電の夜に”

 

【参考動画】ceroの2012年作『My Lost City』予告映像

 

 その後、2013年末に届けられたシングル“Yellow Magus”では物語を船の座礁から砂漠の世界へと展開させ、音楽的には異国的かつ魔術的なグルーヴに魅せられていった彼ら。その作風を熟成させるべく、ライヴと制作に没頭し、2014年末の両A面シングル『Orphans/夜去』では、グルーヴの魔法によって彼らの物語は現代に。そして、洗練された甘さとどこまでも惹き込まれる深さを湛えた彼らの音楽冒険譚は、新作『Obscure Ride』の素晴らしき世界へと導かれていく。

【参考動画】ceroの2013年のシングル“Yellow Magus”

 

【参考動画】ceroの2014年のシングル『Orphans/夜去』収録曲“Orphans”

 

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