一瞬、本質を見落とす凄いアルバムだ。ジャズの伝統が確実に歴史になりつつあることを再認識させてくれる一枚。マクブライドを起用した新作のほか、リー・リトナーやプロデューサーのジョージ・デュークなど70年代以降、名を馳せたミュージシャンたちが敬愛を持ち続けた作品へ捧げた作品を収録。リトナーのメロデイックな作品がオーケストレイションによって格調高く変身し、シャズの認識を変えた《ラプソディー・イン・ブルー》は新たな命を吹き込まれた。長い音楽歴を誇るデュークならではの高いレベルはその意思を見事に開花させてくれた。正統派ジャズファンにガッツリ聴いてほしい豪華作品。