マーク・ラネガンら味のある男性シンガーとアルバムを制作してきたUKのプロダクション・デュオが、デペッシュ・モードデイヴ・ガーンと組んでの2作目を完成。しかもデイヴ・ガーン&ソウルセイヴァーズ名義とあって、本作でのデイヴは完全にチームの一員と見なすべきだろう。ブルースなどUSルーツ音楽に根差したオーケストラルな志向は変わらないが、前作を包んでいた闇に切れ目が見え、光が射し、抑揚と動きと色彩をプラス。デイヴが包含する感情の幅も広がり、見事に音と同調しながらダイナミックに心象風景を描き出す。思えば彼が本格的に自分の言葉で己を表現しはじめたのは40代に突入してから。複数の捌け口を持つことを楽しんでいるようで、まだまだ今後の展開が期待できそうだ。