ニュー・オーダーのトム・チャップマンとフィル・カニンガム、ディーヴォのジョシュ・ヘイガーとジェフ・フリーデル――ニューウェイヴ世代の英米の伝説的バンドへ加入し、2000年代以降の新たな風を吹き込んだ4人が、両グループのDNAを満々と湛えたプロジェクトをお披露目。曲によってシンセに寄ったり、ギターに寄ったりする陰りを帯びたニューウェイヴ・ポップは、特定の世代には怖いほど肌馴染みが良いに違いない。彼ら自身、内から自然と湧き出る音を放出したかのような気負いなさを纏っているが、その完成度といい、ヴァーヴのニック・マッケイブら多数のゲストと作り出したこだわりのテクスチャーといい、どこを切ってもタダの〈新人〉でないことは明白だ。