[第1回] 王道スタイルを貫く一曲! “破!to the Future”

 1月から3か月連続で配信シングルをリリースと、2016年もノンストップで突き進むでんぱ組.inc。その第1弾として“破!to the Future”が届いた。

  昨年10月にハロウィン・ソング“永久ゾンビーナ”、12月にはクリスマス・ソング“Dem Dem X'mas”を発表してきたでんぱ組.incだけに、1月リリースのこの曲は〈あけおめ ことよろ〉で始まるニューイヤー・ソング。でも、そんな前提もお約束も、意味すらも脱臼しながらどんどんぶっ飛ばしていく曲調が痛快だ。

でんぱ組.inc 破! to the Future MEME TOKYO/トイズファクトリー(2016)

“破!to the Future”の歌詞はこちら

 〈でんぱ印〉なハイテンションかつ情報密度高めなサウンドは、前山田健一作詞、Tom-H@ck作曲のタッグによるもの。BPM240の超ハイスピードなテンポに乗せて6人が代わる代わる歌い、次々と風景が切り替わっていくようなジェットコースター的な一曲になっている。トドメは〈Drive or Die!〉〈ダバシャバ 破!to the Future〉と歌うパートで、高速リズムとキメのフレーズと6人のユニゾンがひとつとなってバシっと決まるところで不思議な快感を味わえる。歌詞は曲名の通り〈未来〉がキーワードで、オマージュ先は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。なんだけど、歌詞カードを見ながらじゃないと何言ってるかわからないし、見たとしても何を言ってるかわからないような感じのぶっ飛び感だ。

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」予告編

 

 いまやさまざまなヴァリエーションのポップソングを歌うようになったでんぱ組.incだが、これはいわば〈電波ソング〉の王道スタイル。そのうえで、ポイントは打ち込みではなくパワフルなバンド・サウンドがベースになっている、ということだろう。終始派手にキーを叩きまくってるピアノ、ところどころでテクニカルなソロを披露するギターも見逃せない。

 2015年は、夏フェスへの出演や各地で実力派バンドとツーマンを果たした〈かがやき〉ツアーなどを経て、ロック・ファンの支持も集めてきたでんぱ組.inc。3年連続の出演となった昨年末の〈COUNTDOWN JAPAN〉でも、いよいよメイン・ステージである〈EARTH STAGE〉への進出を果たした。そして1月9日からは、北海道から沖縄まで全国30会場を回るツアー〈GOGO DEMPA TOUR 2016~まだまだ夢で終わらんよっ!~〉がスタート。休みなくライヴを続けてきていることがグループの推進力となっているのは間違いない。

 “破!to the Future”は、電波ソング由来の高密度な曲調と、フェスでも映える熱量高めなパフォーマンスが一体となった、まさにでんぱ組.incならではの王道スタイルを貫く一曲である。

 


でんぱ組.inc

 

古川未鈴相沢梨紗夢眠ねむ成瀬瑛美最上もが藤咲彩音から成る6人組。昨夏に開催したワールド・ツアーの最終日を収めた映像作品「WORLD TOUR 2015 in FUJIYAMA」(MEME TOKYO/トイズファクトリー)と今回の配信シングルの連続リリース、1月9日からは全国ツアー〈GOGO DEMPA TOUR 2016 ~まだまだ夢で終わらんよっ!~〉も開始と、今年も全速力で活動中! 詳細は〈dempagumi.dearstage.com/〉にて!