HO HEY!
〈ポスト・マムフォード〉たちの次なる一歩

THE LUMINEERS Cleopatra Dualtone/ユニバーサル(2016)

 マムフォード&サンズの背中を追いながら、2010年代のフォーク・ブームに拍車をかけた2組が、同時期にニュー・アルバムをリリースした。まず、全米2位を記録する大ヒットとなったデビュー盤『The Lumineers』以来、実に4年ぶりとなるルミニアーズの2作目『Cleopatra』は、ゆったりとした時間の流れや胸を焦がす寂寥感を歌に宿らせ、程良くトライバルなビート(思わず足を踏み鳴らしたくなる!)とドラマティックなピアノで盛り上げていく一枚に。そう、進化よりも深化という言葉がぴったりだ。

 

EDWARD SHARPE & THE MAGNETIC ZEROS Persona Community/BIG NOTHING(2016)

 一方、エドワード・シャープ&ザ・マグネティック・ゼロズはこの4作目『Persona』で新境地をアピール。〈アレックス・エバートの演じる救世主=エドワード・シャープが愛を伝え、生を讃える〉というコンセプトは残しつつ、十八番の60s風なフォーク・ロックに時折ジャズ・ファンクっぽいアレンジも挿し込んで、エッジーな緊張感を生んでいる。彼らのサウンドがジョイフル一辺倒じゃないってことを、思い知らされた次第だ。