後に『The Basement Tapes』として音盤化されることになる、67年のザ・バンドとのセッション時にボブ・ディランが書いた未発表の歌詞が、長い時を経て発掘。それを機に生まれたのが同プロジェクトだ。T・ボーン・バーネット監修のもと、エルヴィス・コステロやマムフォード&サンズのマーカス、マイ・モーニング・ジャケットのジムらがディランの言葉に曲を乗せ、新たな命を吹き込んだ。旺盛な実験精神でUSルーツ音楽を探求した当時のディランに敬意を払いつつ、『The Basement Tapes』の焼き直しではなく、その遊び心を引き継いだ今様のインディー・フォーク的な解釈により、深みのある音を奏でている点が素晴らしい。別掲の〈The Bootleg Series Vol. 11〉と聴き比べるのも楽しそう。