エラ、サラ、ホリデイ、サッチモ、シナトラ…美空ひばりまで、史上最強のジャズ歌コレクション!
サラ・ヴォーン――サラの死を知ったのは車の中でのラジオのニュースだった。その直後、サラの伴奏を勤めたピアニスト、ロンネル・ブライトにインタヴューした。彼によって語られるサラの実力は驚愕だった。エラ・サラ・カーメン、御三家たちは時代の奔流の中で一頭地抜きん出た実力を発揮してきた。サラをはじめとするヴォーカリストたちの珠玉の歌唱を集め、その事跡を追った26巻にわたる前代未聞のCDブックの登場は、ノラ・ジョーンズたちの世代へ連なるヴォーカリストたちの偉大なる足跡と、多くの耳をそばだてたくなる楽しい逸話を通して、歌の魅力を伝えてくれる。
そして、このシリーズが今までのヴォーカル・シリーズと異なる最も大きな特徴が、選定にあたられた後藤さんの個性が発揮された『インストファンをも巻き込むヴォーカルコレクション』だということだ。シリアスにジャズを聴き続けるインスト・ファンを納得させるセレクションは、インストファンのためのヴォーカルコレクションと言っても過言ではない。さらにヴォーカル・ファンには、盲点になっていた楽しい発見が仕込まれている。器楽的な唱法という表現をこれほど分かりやすく説明したのを見たことはない。シリアスにチャーリー・パーカーを追求する後藤さんらしい視点は今までジャズ・ヴォーカルに別の思いを抱いていたファンを惹きつけるだろう。
そして、26巻を通してコレクションすれば、知らず知らずのうちにジャズそのものの歴史さえ頭に入ってくる、そんな仕掛けが感じられる。
いわゆる代表的なジャズ・ヴォーカリストたちに加えて、美空ひばりなど日本の『ジャズソング』と表された歌も収録されており、ベテラン音楽ファンにとっては格好の、ピンポイント・コレクションとなっている。そして、サラの回でも顕著だが収録音源の音色的なレベルも配慮されているようで、時代を超えた楽曲がすんなりと耳に入ってくる。
また、チェット・ベイカーの号などは、インスト・ファンが敬遠しがちな部分をどうやってコレクトしてくれるか今から楽しみになる。歌うように吹き、吹くように歌う、チェットのヴォーカリストとしての魅力がどう解説されるか期待が膨らむ。
シナトラの号では、アメリカ・ポピュラー音楽界の大御所としての存在感に加えて、曲を崩さずにあれほどまでの趣きある歌唱を展開したシナトラの変化の歴史が楽しみになる。バンド・シンガーとしての出発、ソロ歌手としての早い時期での大成功、中期のやや低迷の時代、そして、男として人間として深い哀愁を感じられるようになっていった、カムバック以降など、声質の変化や映画俳優としての人気も気になる。
100年を超えたジャズの歴史の中でジャズ・ヴォーカリストも進化してきた、最終号では、多様な展開をみせ、再び、ヴォーカル界を席巻しつつある。ジャズ的な歌い方が現代的に見えるのかもしれない。発売されたばかりのグレゴリー・ポーターの作品は、そんな未来を予感させる素晴らしい出来だった。
そうしたラインナップは、インスト・ファンを新たなるヴォーカル・ファンに、ヴォーカル・ファンをさらに熱心なヴォーカル・ファンへと誘うシリーズになる。
そして、全巻予約の特典がまた、奮っていて、《スターダスト》《ミスティ》《時の過ぎゆくままに》の3曲の歌い方比べのオリジナルCDとなっている。26巻ジャズヴォーカルを一通り楽しんだ後にさらにお宝がやって来る。そんなコレクションがこのシリーズなのだ。
世界最高峰のジャズ・ヴォーカリストが、ぜんぶいる。
隔週刊CDつきマガジン ジャズ・ヴォーカル・コレクション 全26巻
監修:後藤雅洋
隔週火曜日発売
6/28発売 第5巻 ルイ・アームストロング
7/12発売 第6巻 昭和のジャズ・ヴォーカルVOL.1~美空ひばり、弘田三枝子、雪村いづみ~
7/26発売 第7巻 ボサ・ノヴァ・ヴォーカル~ジョアン・ジルベルト、ナラ・レオンほか~
8/9発売 第8巻 ビリー・ホリデイ
8/23発売 第9巻 ナット・キング・コール
〈好評発売中〉
第1巻 奇跡の競演
第2巻 エラ・フィッツジェラルドvol.1
第3巻 サラ・ヴォーン
第4巻 フランク・シナトラvol.1
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■全巻購読受付中!(申し込み締め切り:2016年11月末日まで)
全26巻お申込みの方全員に超レア! お宝CDプレゼント!
ジャズ・ヴォーカル・スターズ聴き比べ
『STARDUST・MISTY・AS TIME GOES BY』
収録アーティスト
《スターダスト》
サラ・ヴォーン/エラ・フィッツジェラルド/ホーギー・カーマイケル/ザ・ブルースターズ
《ミスティ》
エラ・フィッツジェラルド/サラ・ヴォーン/ジューン・クリスティ/ジュリー・ロンドン
《アズ・タイム・ゴーズ・バイ》
ビリー・ホリデイ/ペギー・リー&クインシー・ジョーンズ/ジュリー・ロンドン/ビング・クロスビー
www.shogakukan.co.jp/pr/jazz3/