映画にはかならず心に残る名セリフがある。本著に紹介されている映画は、古くは53年『ローマの休日』から2014年『バードマン』まで100本に及び、その“忘れがたいシーンとセリフ”をシンプルなイラストとウィットに富んだ文章で綴った、まるで絵本。それらが5つのジャンルに分けられており、最初の“青春を謳歌したくなる映画”の章での一発目が『スタンド・バイ・ミー』というのが個人的には大アタリで引き込まれた。観たことがある映画が出てくれば「こういうシーンあった、あった」、観たことのない映画は「へえ、こういう映画か、観てみるか!」とレンタル屋直行必至の深い一冊。