INTERVIEW

Plastic Treeが4人で発するアンサンブルの妙見せつけた、ゲーム「Collar×Malice」とのコラボ作“サイレントノイズ”を語る

Plastic Treeが4人で発するアンサンブルの妙見せつけた、ゲーム「Collar×Malice」とのコラボ作“サイレントノイズ”を語る

ゲームとリンクしながら現実と非現実の境界を行き来する新作。そこにはミステリアスな影が存在するバンドの土台が示されていて……

 4人それぞれの個性を強烈に表出させつつ、〈バンドという方法論〉を改めて突き詰めた最新アルバム『剥製』のリリース・ツアーを終えたばかりのPlastic Tree。次なるタームへ突入した彼らのニュー・シングル“サイレントノイズ”は、PS Vita用のゲーム「Collar×Malice」とのコラボ作品となった。新宿を舞台に起こる連続殺人事件と、その犯人を追う女性警察官、そして彼女の前に現れる謎めいた5人の協力者――サスペンスとラヴストーリーの要素が入り混じる同作のオープニングを担う表題曲は、〈新宿〉という街の混沌が妖しく渦巻くエッジーなロック・チューンだ。

Plastic Tree サイレントノイズ CJビクター(2016)

「去年の段階でゲームの企画書みたいなものをいただいて。“サイレントノイズ”に関しては、制作サイドから〈ソリッドで格好良い曲をお願いします〉というオーダーがあったんですよね」(長谷川正、ベース)。

「現実の新宿を舞台に非現実的なことが起きているという話なので、歌詞はゲームの世界と僕の接点というか、〈僕がイメージとして持っている新宿〉を元にしてますね。昔の言葉で言う〈魔都・新宿〉とか、〈アジア有数の歓楽街〉とか、ああいうキャッチフレーズじゃないですけど(笑)、そういう表現を見ていた小さい頃のイメージもあるし、自分がいま、直接新宿に行って見ている風景もあるし。いろんな意味でカオスな街なので、そういうところを背景に書いた感じです」(有村竜太朗、ヴォーカル)。

 ソリッドに疾走するアンサンブルのなかに潜む揺らぎと、突如サイケデリックに溶解する音像。そして、現実から非現実へふとスイッチする詞世界――それはゲームのストーリーと同期するものでありつつ、そもそもPlastic Tree自体の持ち味でもある。

「ゲームの制作スタッフさんのなかに、Plastic Treeをもともと好きでいてくれた人がいたようで、今回はそこからの話だったんですね。だから、求められたものも恐らく、〈Plastic Treeっていうバンドから連想される王道〉なんだろうなって。エンディングで流れる他の2曲に関しても同じようなものはあって、1曲は穏やかな感じのものが、もう1曲はタイトル曲よりもアッパーなものが欲しいってことだったんですけど、それはどれも、Plastic Treeが現在やっている音楽性の範疇にあるものですし」(長谷川)。

 そうした発言にもある通り、カップリングには“サイレントノイズ”を挟んで両極のカラーを持つ2曲を収録。そのうち〈穏やか〉な方向の“静かの海”は、ノスタルジックな空気のなかに遊び心のある言葉を浮かべたミディアム・ナンバーだ。

「バンドに落とし込んではいるんですけど、ギター1本でも成立するような感じ。この曲は、ちょっと昔の日本のフォーク・ミュージックみたいなニュアンスもあるといいなと思って作りましたね」(長谷川)。

「歌詞は、ゲームのストーリーと、〈ゲームをやる人の心情ってどういうものなんだろう?〉って書いた部分はありますね。恋愛でもいいですし、それ以外の人間関係でもいいですけど、ゲームって非現実だけど現実めいて見えるところもあったり、逆に現実がゲームのほうに近いこともあるなあと思ったり。そんなことを悶々と考えながら書いてました。で、その〈悶々としながら書いてる自分〉の状況も、まんま出ていたりして(笑)」(有村)。

 そして、長谷川いわく「アグレッシヴで華やかな曲ですよね。歌詞もゲームの世界観に寄せてるんじゃないかな?」という〈アッパー〉な方向の“シンクロ”は、ナカヤマアキラ(ギター)が作曲を、佐藤ケンケン(ドラムス)が作詞を担当。結果的に今回のシングルは、Plastic Treeのバンド感――4人が発する音だけで構成されるアンサンブルの妙を改めて確認できる一枚となった。劇団・犬カレー泥犬が手掛けてきた前作『剥製』までの流れを一新したアートワークも、その核心を捉えている。

「普段はエレクトロな曲もあったりしますけど、今回はあんまり実験的な要素はなくて、どちらかというとバンドの土台となっているサウンドで出来た3曲かなって。ここ最近では、いちばんベーシックな感じです。アートワークも自分たちの原点っぽいところがありますからね。ちょっとミステリアスというか、影があって、どこかざわざわする感じで。そこも含めてこのシングルは、ゲームとのコラボレーションがあるとしてもあくまでPlastic Treeの作品という、そういう一枚になったと思いますね」(長谷川)。

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