紀伊國屋寄席の名演集シリーズに桂雀々が登場。上方落語の名手でありがなら東京でも活躍中の噺の達人。師匠である枝雀のそのまた大師匠にあたる四代目桂米団治・作の「代書」は、枝雀版を受け継ぎつつ独特の空気と上方落語らしい勢いで時間を忘れさせる。大御所から若手まで、東京でも多くの落語家のレパートリーとしても知られる「動物園」は、じっくりと時間をとって魅せる仕草が、着物の擦れる音や息づかいでCDとはいえ見て取れる。じっくりと想像を膨らませながらスピーカーに向き合っていると急にオーバーな大きな声が響いて、もう、これだから上方落語っていい。