こんなヤツがいたら近づきたくない! 柳楽優弥の狂気染みた怪演が凄すぎる。ストリートファイトに明け暮れる主人公の目的のない享楽的暴力が、やがて周囲を巻き込んでいく群像劇。とにかく暴力にフォーカスした作品で「え? まだやるか? そこいく?」ってくらい繰り返される暴力シーンにドン引きする一方、いつしかその狂気も純粋なものに見えてくる。ストーリー云々よりも柳楽優弥、菅田将暉小松菜奈ら主演陣の身震いする程の演技力、そして演出が素晴らしく「コイツは本物のヤバイやつだな」と思わせる柳楽の不気味なオーラと迫力は必見。監督は本作がメジャー初作品となる真利子哲也、音楽は向井秀徳