ジェイミーxxのソロ作を挿み、The xxが4年半ぶり3枚目となるニュー・アルバムを完成させた。これまでの3人は、メランコリックで内観的なサウンドスケープに繊細かつナイーヴな歌詞を乗せるというスタイルを取ってきた。しかし今回は、その十八番の手法を残しつつも、よりアグレッシヴでダンサブルな音を鳴らしている。オープニングを飾る“Dangerous”はフィジカルなハウスに仕上がっており、“A Violent Noise”は昂揚感溢れるユーフォリックなトランス・サウンドが特徴的だ。過去2作でもダブステップの要素を採り入れるなどダンス・ミュージックからの影響は随所で見られたが、それがより明確&鮮明になったのは大きな変化だと言え、バングラっぽい色付けもイマっぽい。また、ロミーとオリヴァーのプリミティヴで滋味深い歌声にほんのり妖艶な色気が加わった点も、成長の跡が感じられる。そんな本作は、彼らが新たなフェイズに移行したことを示す祝砲であり傑作だ。