フィリーに根差した女性シンガーの初作は、グラスパークリスチャン・マクブライドらジャズ人脈と地元周辺の名演奏家が一堂に会した重要作。しっとりジャジーな歌唱とR&B的なコブシの両方を駆使する主役の華やかな歌声と名手たちの生音がネオ・ソウルとジャズの境界線を溶かしてゆく様は、まさにゴージャスな混沌だ。ジョージ・マイケル曲をヴィヴィアン・グリーンと丁寧にデュエットする“Kissing A Fool”が白眉。